2021年2月6日、上野動物園のキリンの母子「リンゴ」と「ヒカリ」(メス)を約1年ぶりに同居させました。初産だったリンゴが子どもを受け入れなかったため、ヒカリは人工保育で育ちました(
お知らせ)。

同居した母親リンゴ(右)と子のヒカリ(2021年2月7日撮影)
2020年6月から父親の「ヒナタ」と一緒に放飼場に出るようになり(
お知らせ)、その後、満を持して母親リンゴとの同居です。
同居にあたり、いきなり2頭を放飼場で一緒にすると互いに驚いてしまう可能性があることから、舎内の部屋を1月14日から隣り合わせにし、互いの姿が常に見えることに慣らしました。そして2月6日、屋外放飼場で同居させました。
同居直後は2頭ともやや警戒したようすでしたが、しばらくすると並んで乾草を食べる姿が見られました。たがいいに積極的に近づくことはあまりありませんでしたが、ときおりヒカリがリンゴに近づいて匂いを嗅ぎ、リンゴを驚かせることが何度か見られました。その後も同居を続けると、数日後にはお互いの距離感がわかってきたのか、落ち着いて過ごすようになりました。
ヒカリは人工哺育で育ち、これまで母親のリンゴとはほとんどの時間を柵越しに接していたため、キリンどうしのコミュニケーションがうまくとれるのか気がかりでした。しかし、並んで乾草を食べたり、母親が食べているものにヒカリが興味を示したり、これまでと異なる刺激が2頭にあったようです。同居したことで、今後のヒカリの成長と2頭の関係性によい影響がもたらされると期待しています。
〔上野動物園西園飼育展示係 三松豊〕
(2021年03月07日)