新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため休館中のバードハウスから、飼育担当者が選ぶ4つのトピックスを2回に分けてお届けします。
2年連続の繁殖! アオバズク
日本では夏鳥として全国に飛来するアオバズク。上野動物園では2019年に初めて繁殖に成功しました。
今年も昨年同様のペアで繁殖を試みたところ、5月下旬からメスが巣箱から出てこなくなり、抱卵が始まりました。1ヵ月ほどしてえさがよく減るようになったので、孵化したひなに親がえさを与えていることが推測できました。何羽いるのかは確認できないので、えさ不足にならないよう種類や量を増やして観察を続けると、7月16日に1羽、17日に1羽の合計2羽のひなが巣立ちました。
巣立ち当日はうまく飛べずに地面にいたひなたちですが、現在は親と並んで4羽で木に止まる姿を確認できます。ひなは目の虹彩の色が親よりも薄く、ややあどけなさが残ります。
巣立ちしたアオバズクの2羽のひな
ミナミコアリクイの「サン」、順調に育っています
2019年5月に産まれたミナミコアリクイのサンは1歳を迎えました(誕生のお知らせは
こちら)。この夏の猛暑にも負けず、元気に過ごしています。
木登りが得意で散策が好きなサン。毛色や毛並みは母親のナツに似ているような気がします。体重も6.4㎏をキープするようになり、成獣の体形になりました。
ミナミコアリクイ「サン」
同居の鳥も見守るヒノマルチョウの巣立ち
今年5月と8月に1羽ずつ、ひなが巣立ちました。この部屋では例年とは違う不思議な行動を観察できました。同居しているカノコスズメが、親よりもひなのそばにぴったりと寄り添っているのです。
カノコスズメがひなの羽をいじるとひなもいじりかえすという行動が何度もみられました。えさを与えるわけでもなく、ただそばにいたいようです。親は巣立ち後もひなにえさを運びますが、カノコスズメのことは特に追い払うようすはなく、ひなもしっかりと識別していて親にしかねだりません。
この不思議な関係は巣立ち後3週間ほど続き、ひなの自立とともに見られなくなりました。
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えさをもらうヒノマルチョウの ひな(右)と親(左) | 羽をいじりあうヒノマルチョウのひな(左)とカノコスズメ(右) |
4つ目のトピックス、カンムリシギダチョウについてご紹介する
「休館中のバードハウスから(2)」もご覧ください。
〔上野動物園東園飼育展示係 吉村映里〕
(2020年10月01日)
(2020年10月05日:「休館中のバードハウスから(2)」へのリンクを追加)