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ニホンツキノワグマのとめ糞
 └─ 2020/05/10

 2006年4月の「クマたちの丘」オープン以来、当園では「冬眠チャレンジ」として二ホンツキノワグマの冬眠展示に向けての調査・研究・準備を進め、同年の冬に日本で初めての人工冬眠に成功しました。そしてその後も毎年、冬眠展示を継続しています。

 昨冬は「ウタ」(メス、9歳)が12月17日から冬眠に入っていましたが、このたび2020年4月28日(火)に、冬眠の終わりを告げる「とめ糞」を排泄しました。

ツキノワグマ「ウタ」
(撮影日:2020年5月8日)
4月28日に排出したとめ糞
(撮影日:2020年4月30日)

 冬眠中のクマは体温が下がり、呼吸数や心拍数も減った状態です。えさや水は口にせず、糞や尿も排泄しません。飼育担当者はそのようすを、室温や呼吸数、暗視カメラによる行動観察などの記録をとりながら注意深く見守ります。実際には24時間眠り続けているわけではなく、ときどき姿勢を変えたり、敷きワラを整えたりというわずかな動きが見られます。

 冬眠明けが近くなると、そのようすに変化があらわれ、寝ている時間はだんだん短くなり、寝返りやもぞもぞ動くのが頻繁になってきます。そして「とめ糞」と呼ばれる糞を排泄すると、食欲が戻りはじめ、活動時間も日に日に長くなっていきます。

 冬眠の終了は行動や食欲などで総合的に判断しますが、「とめ糞」の排泄は冬眠明けの合図として重要な指標のひとつです。久々に排出された「とめ糞」は粘土のような質感で、水分や食べたもののカスをたっぷり含むふだんの糞とはまったく違います。これを見ると、約4ヵ月にわたる冬眠の長さを改めて実感します。

 再開園したらぜひ、無事に冬眠から覚めたウタに会いに来てください。

(2020年05月10日)


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