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オグロプレーリードッグの一斉捕獲
 └─2020/01/31

 冬の寒さに負けないようにオグロプレーリードッグたちが冬毛で真ん丸になる季節がやってきました。

 冬本番に先立つ2019年11月25日、上野動物園では年に一度のプレーリードッグの一斉捕獲をおこないました。2019年に生まれた子どもの数を確認するとともに、全頭の健康チェックをするためです。

 一斉捕獲は朝7時30分から始めます。日中はプレーリードッグたちの動きが素早く、捕まえることが難しいため、朝早い眠っている時間を狙います。起こさないように寝部屋を開け、一気に捕獲します。

捕獲作業
捕獲してケースに入れたプレーリードッグ


 捕獲後、今度は1頭ずつ健康チェックです。ふだん展示場に飼育係が入ると、プレーリードッグたちはみな巣穴に隠れてしまうため、詳しく体の状態をチェックすることは簡単ではありません。そこで一斉捕獲をおこない、頭からしっぽの先まで観察してケガや病気がないか確認するのですが、ネズミのなかまのプレーリードッグはなにしろ歯が命なので口の中は念入りにチェックします。


1頭ずつていねいに健康チェックをおこなう

 健康チェックの際に体重も計ります。おとなの平均体重が1,118グラムだったのに対して、昨年生まれた8頭の子どもたちの平均体重は728グラムでした。おとなに比べると、子どもは一まわり小さいですね。

 作業の際、個体を識別するために皮膚の下に入れたマイクロチップを読み取って確認します。そして、昨年生まれた子どもにもマイクロチップを入れます。個体をきちんと健康に管理するためには重要な仕事です。

 健康チェックをしているあいだに展示場の土を入れ替えます。古い土を捨て、新しい土を入れる単純な作業ですが、土の量が3トントラック2台にもおよび、丸1日かけてやっと終えることができました。


土の入れ替え作業

土が新しくなった後の数日間、プレーリードッグたちは「トンネル開通作業」に大忙しです。鼻や手足を真っ黒にしながらトンネルを掘っていました。

 冬は寒さにそなえ、巣材を巣穴に運ぶ姿がよく見られます。上野動物園にいらしゃった際には、新しくなった展示場とプレーリードッグたちに会いにきてくださいね。

〔上野動物園東園飼育展示係 木村美樹〕

(2020年01月31日)


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