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アカガシラカラスバトの巣立ち──1/10
 「カラスバト」は、カラスのように黒みをおびた大型のハト。そのなかまには6種が知られていましたが、日本産のリュウキュウカラスバトとオガサワラカラスバトは絶滅してしまいました。日本に残るのはカラスバト3亜種だけです。つまりカラスバト、ヨナクニカラスバト、アカガシラカラスバト。

 ヨナクニカラスバトとアカガシラカラスバトは絶滅が心配されていますが、東京都では、小笠原諸島の固有種であり、国の天然記念物でもあるアカガシラカラスバトの保護繁殖計画にとりくんでいます。

 2001年3月に父島で成鳥2羽(オスとメス)とひな1羽(オス)を捕獲し、上野動物園で飼育を続け、2002年10月末から11月初めに産卵を確認しました。2002年11月18日から19日に孵化したニュースは、本メールマガジンの88号でもおしらせしました。

 その後、メスとわかったこのひなは、順調に育っています。12月中旬には巣立ちましたが、飛翔力など、ようすを見たうえで、1月4日に親と別居をさせることにしました。このときの体重は 424グラムです。幼鳥の写真は、東京ズーネット https://www.tokyo-zoo.net/ のニュースページをごらんください。

 アカガシラカラスバトは、小笠原にしかいません。個体数や調査例が少なく、生態もあまり知られていません。現在、ノネコやネズミから受ける影響、アカギ(外来の樹木)の繁茂や台風による樹木の種子の減少など、生息環境の悪化が進んでいます。

 美しい羽を頭にいただくこの鳥を守るために、上野動物園では、繁殖への努力を続けています。



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