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40年以上を上野でくらしたダルマワシとホオカザリヅルの死亡
 └─2018/12/20

 40年以上の長きにわたって上野動物園でくらしてきた鳥2羽が、2018年11月と12月に死亡しました。

ホオカザリヅル──飼育期間41年超

 2018年11月24日、ホオカザリヅルのメスが高齢にともなう循環不全で死亡しました。アフリカのボツワナから上野動物園に来園したのは1977年9月のことでした。飼育期間は41年を超えますが、来園時にはすでに成鳥だったので、年齢はそれ以上です。

 ともに来園したオスとの間に1984年以降、何度も産卵と繁殖が見られ、子どもたちは国内外の多くの動物園に旅立っていきました。

 ダルマワシ──飼育期間47年超

 2018年12月6日、ダルマワシのオスが死亡しました。来園したのは1971年4月なので飼育期間は47年超。上野動物園に今いるスタッフの誰よりも長く上野動物園でくらしてきた個体です。残念ながら繁殖にはいたりませんでしたが、あとから来園したメスと仲よく過ごしてきました。

 上野動物園の猛禽類の中でも体色がひときわ美く、来園者からも人気の鳥でした。高齢になっても羽毛の艶はすばらしく、飼育担当者が近づくとかならず誇示行動(ディスプレイ)をするほど元気で、アメリカのセントルイス動物園の長寿記録55歳を更新できるのではと期待されていました(来園以来飼育期間47年ですが、55歳にはいたっていないと推定されます)。

            * * *

 大きな体で2羽は存在感を放ち、上野動物園で40年以上、その偉容を見せてくれました。長いあいだ上野動物園に貢献してくれたことに、心からお礼を言いたいと思います。
 2羽の死亡後、上野動物園で飼育しているダルマワシは2003年に来園したメス、ホオカザリヅルは1977年に来園したオスのそれぞれ1羽だけとなりました。

(2018年12月20日)


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