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日本産ライチョウが孵化しました
 └─ 2018/07/11

 上野動物園では、絶滅危惧種であり、国の特別天然記念物である日本産ライチョウが孵化しましたので、お知らせします。

 当園は公益社団法人日本動物園水族館協会の加盟園館として、環境省の取り組むライチョウ生息域外保全事業に2015年度から参加し、ライチョウの飼育に取り組んでいます。

 2017年に大町山岳博物館にて産卵され当園で孵化したオス(血統登録番号:N39)と、同年に富山市ファミリーパークにて産卵され当園で孵化したメス(血統登録番号:N28)を、2018年5月13日から同居させたところ交尾が確認され、メスが産卵しました。

 産まれた卵を園内の人工孵化施設の孵卵器(卵を孵化させるために一定温度で温める装置)に入れて温めていたところ、このたび7月10日及び11日に1羽ずつ、計2羽のひなの孵化を確認しました。

 また、このペアが産卵した卵のうち4個を、7月6日に那須どうぶつ王国へ移送し、同園でも人工孵化に取り組んでいます。
 

孵化したライチョウ

 孵 化 数 2羽
 性  別 不明
 体  重 7月10日孵化のヒナ:18.4g
      7月11日孵化のヒナ:18.1g
 孵化日時 2018年7月10日(火)23時、7月11日(水)7時


孵化したライチョウのひな 左:7月10日孵化、右:7月11日孵化
(撮影日:2018年7月10日、11日)

孵化までの経過
 5月 7日      当園でオスN39とメスN28の見合いを開始
 5月13日     雌雄の同居を開始
 5月18日~6月3日 複数回の交尾を確認
 6月 4日~7月4日  メスが13個の卵を産卵
 6月18日     13卵のうち9卵を孵卵器に入れる
 7月 6日      孵卵器に入れた9卵のうち4卵を那須どうぶつ王国へ移送
         (残り5卵のうち2卵は上野で今回孵化、他3卵は無精卵及び中止卵)

ライチョウ保護増殖事業

 今回の孵化は、絶滅の危険がある日本産ライチョウの保護を目的とした環境省と(公社)日本動物園水族館協会が進める保護増殖事業に基づいた取組みです。
 現在、富山市ファミリーパーク(富山県)、大町山岳博物館(長野県)、那須どうぶつ王国(栃木県)と当園で成鳥を飼育し、繁殖に取り組んでいます。

今後の取組み

 孵化したひなは、孵化後2週間程度が特に体調を崩しやすいため、これまでのライチョウの孵化育雛の経験を生かし、注意深く飼育、観察していきたいと考えています。
 今後のひなの状況については、順次ホームページなどでご案内いたします。

(2018年07月11日)


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