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マダガスカルの自然を守るためMFGの活動にご協力ください
 └─上野  2016/10/07
 今年(2016年)の7月6日から9日まで、台湾にある台北動物園で開催された「マダガスカル野生動植物グループ」(Madagascar Fauna and Flora Group、略称MFG)の年次総会に、園長をはじめ上野動物園の職員が参加しました。さまざまな国の野生動物や植物の専門家が集まり、マダガスカルでの保全活動について意見交換し、非常に充実した総会になりました。

MFG総会での集合写真
野生のアイアイ(MFG提供)


◆MFGとは
 MFG(マダガスカル野生動植物グループ)は、1988年に設立されたマダガスカルの野生動植物保全を目的とする非営利団体(国際NGO)です。事務局はアメリカにあり、世界中の野生動植物の専門家や動物園関係者などが、マダガスカルの貴重な動植物の絶滅を防ぐために、現地や動物園などと連携しながら保全活動をおこなっています。

◆上野動物園とMFGの関わり
 上野動物園では1999年からマダガスカル国立チンバザザ動物園との共同研究に取り組み、2001年にはアイアイが初めて来園しました。そして2008年、アジア国として初めてMFGに加入。2013年にはアイアイ国際会議(Aye-aye International Master Planning Meeting)にも参加して国際的な連携を強め、これまで飼育下繁殖に計8回成功しています。

◆アイアイの子ども
 上野動物園に今いるアイアイの子どもをご覧になったことはありますか? 2015年12月13日に誕生したオスの赤ちゃんで、名前は「マフィー」(Mafy)! マダガスカル語で「強い、タフな」という意味ですが、その名の通り、元気にすくすくと成長中! マフィーは、2013年にアメリカから来園したオスの「ヒッチコック」と、上野動物園で生まれたメス「ティーア」の間に生まれた子どもで、国際的な連携による成果の一つでもあります。


上野動物園で生まれたオス「マフィー」

◆マダガスカルの生き物を救おう!
 アイアイを初めとするマダガスカルの野生動植物は、現在、絶滅の危機に直面しています。これは環境破壊や密猟、害獣として駆除されるなど、人間のさまざまな行為がもたらしたものです。では、どうすればマダガスカルの野生動植物を救えるのでしょうか? 一つの方法は、マダガスカル現地の人々へその希少な動植物の大切さを伝えることです。過剰な森林伐採や密猟をおこなわないよう、自立的な経済基盤を整えるための活動を現地の人々と一緒に考え、進めていく必要があります。

 また、現地の動植物についての調査や研究、世界中の動物園が協力して絶滅危惧種の繁殖を進めることも非常に重要です。そのためには十分なスタッフや世界中からの支援が必要になります。

 上野動物園ではMFGへの資金援助もおこなっています。また、MFGでは個人寄付によるご支援も受け付けています。英語による寄付受付ページはこちらです

 マダガスカルの貴重な動植物を守るため、みなさんのご理解とご協力をお願い申し上げます。

〔上野動物園教育普及係 岡元友実子〕

(2016年10月07日)
(2023年06月09日:MFGの寄付ページリンク先を更新)


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