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オグロプレーリードッグ舎の大掃除
 └─2015/11/27

 上野動物園では1年に1回、オグロプレーリードッグの個体確認のために一斉捕獲をおこない、同時に衛生管理のために放飼場の土を入れ替えています。

 この季節の早朝、プレーリードッグたちはほとんどの個体が巣穴内で睡眠状態なので、作業もこの時期におこないます。2015年11月16日、朝7時に担当者が集合し、6名が2人ずつ組になり、プレーリードッグたちの「寝込み」を狙って捕獲を試みました。ほとんどの個体はこの「寝込み襲撃作戦」で捕獲できますが、捕まえられなかったプレーリードッグは、放飼場の土入れ替え作業と平行して捕獲します。


早朝、巣穴の中で寝ているオグロプレーリードッグ

 ふだんプレーリードッグは巣穴と放飼場の両方で生活しているので、ケガをしたり、とくに具合が悪くなったりしなければ、通常は個々の状況を詳細にみることはなかなかできません。1年に1回の一斉捕獲は、健康診断もかねているのです。

 捕まえたプレーリードッグは体重を測定し、個体識別用マイクロチップの挿入、今年生まれの個体たちの雌雄確認、歯や爪などの詳細なチェックなどをおこないます。


土入れ替え作業のようす

 放飼場の土入れ替えは、残った個体の捕獲作業もかねています。土を掘り出す際は、残っている個体をケガさせないように慎重に進めなくてはなりません。朝10時から土入れ替え作業を開始し、夕方4時に全個体の捕獲と土の入れ替え作業が終了しました。10時以降の作業は上野動物園職員総出でおこない、一日がかりで終えることができました。

 これまでプレーリードッグ放飼場で使用していた土はクビワペッカリー放飼場のまわりに積みました。積んだ土の中には甲虫類の幼虫などがいるため、すぐれた嗅覚をもつペッカリーたちは、土の中からごちそうを探すのに夢中のようです。


えさを食べているクビワペッカリー

 新しい放飼場でトンネル堀りに大忙しのプレーリードッグたちと、放飼場に積まれた土の捜索に大忙しのペッカリーたちに会いに来てくださいね。

〔上野動物園東園飼育展示係 吉村映里〕

(2015年11月27日)


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