2015年10月の休園日、上野動物園西園の不忍池のほとりで飼育していたコウノトリ1羽とタンチョウ1羽が引越ししました。コウノトリはレッサーパンダ展示場の隣に、タンチョウは弁天橋の近くにある「出島」と呼ばれる場所に移動しました。2羽がいた展示場は、鳥インフルエンザ対策のために網をかける工事をおこなう予定です。

レッサーパンダ展示場の隣に移動した上野動物園のコウノトリ
移動したコウノトリは2011年7月11日に多摩動物公園から来園し、当時から不忍池のほとりで展示されていました。
タンチョウは2007年6月1日に上野動物園で繁殖した個体です。生まれた当時は東園で飼育し、2010年に不忍池のほとりに移しました。これまで2羽は隣り合ったスペースで展示されていましたが、けんかすることもなくくらしていました。
移動後は初めての場所なので2羽とも落ち着きを失い、きょろきょろと周りに注意を向けたり、緊張していたようすでしたが、午後になるとえさを食べ始めました。
翌日になると展示場にも慣れ、飼育係がえさの入ったバケツを持って入ると、「早くちょうだい」と訴えるかのように飼育係をじっと見つめてきます。えさを与えると、すぐなくなってしまうくらい食欲旺盛です。コウノトリとタンチョウはよく似た姿をしていますが、えさの食べ方などを比べると違いがよくわかります。ぜひ観察をしてみてください。
〔上野動物園西園飼育展示係 林皓太〕
(2015年11月20日)