上野動物園では、西園の不忍池の小島でオオワシの雌雄ペアを飼育していましたが、今年(2015年)の8月13日、残念ながらオスが死亡しました。年齢は42歳と1か月以上。長い間、飼育してきた個体でした。
死亡したオオワシのオス(2015年2月23日撮影)
このオオワシのオスは1973年2月18日、千葉県の海岸で銃に撃たれて傷を負った状態で発見され、保護されました。同年6月26日に上野動物園に来園し、当時から飛ぶことはできませんでした。当初は東園の猛禽舎で飼育をしていましたが、2002年11月11日に不忍池の小島に移動し、以来そこでくらすようになりました。
2年ほど前から、えさを与えても反応が鈍かったり、池に落ちたりすることが増えました。捕獲して獣医師による診断をしたところ、目が白く濁っており、視力低下が原因のようでした。以降、飼育係がさまざまな工夫をしながら飼育し、えさも少しずつ食べるになりました。
しかし8月13日朝、池の中に体が入った状態だったため、すぐに捕獲して病院で懸命の治療をしましたが、残念ながら死亡しました。
現在小島にいるオオワシはメス1羽となりましたが、元気にくらしています。なおオスの死後、8月18日から西園の一部を工事のために閉鎖しています。西園のオオワシは見ることができませんが、東園の猛禽舎でもオオワシのペアを飼育していますので、東園でオオワシのたくましい姿をぜひご覧ください。
〔上野動物園西園飼育展示係 林皓太〕
(2015年09月04日)