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ガラパゴスゾウガメ、今年の夏は
 └─2015/07/24

 上野動物園の両生爬虫類館には「タロウ」と「カメ吉」と呼ばれる2頭のガラパゴスゾウガメがいます。ふだん、両生爬虫類館の温室で見ることのできるのはタロウです。カメ吉はバックヤードで飼育していますが、毎年梅雨が明けてから、夏期限定で両生爬虫類館前の屋外展示場に出しています。この期間は、カメ吉をごらんになることができます。

 今年も彼らを屋外に出す季節がきました。そこで問題になるのが、2頭の仲の悪さです。とくに体の小さいカメ吉は気が強く、2頭を同居させると、カメ吉がタロウを追いかけてしまいます。そこでかつては展示場を二つに分け、お互いの姿が見えないよう、壁で仕切っていたこともありました。しかしそうすると、活動できる範囲がやや狭くなってしまいます。

 そこで今年はタロウを温室に残し、カメ吉だけを屋外に出すことにしました。また、暑いときには体を冷やせるよう、屋外展示場の一部にヌタ場(体全体が入れるような浅い水たまり)を作ってみました。


カメ吉を屋外展示場に移動(後ろはブロンズ像)

 カメ吉の移動は7月13日、休園日におこないました。毎年、えさで誘ったり、職員みんなで持ち上げたりして屋外展示場へ移動させるのですが、今年は職員がいる方に歩いてくれたので、スムーズに移動できました。移動直後は落ち着きがなく、歩き回って周囲の状況を探っている感じでしたが、ヌタ場が気に入ったのか、最近では全身を浸けて、首だけ伸ばしている姿をよく見みます。


屋外展示場に移ったカメ吉



カメ吉、ヌタ場を満喫

 一方、温室に残ったタロウのために、暑さ対策として展示場の一部にドライミストを設置しました。さらに扇風機も設置する予定です。しばらくすると、ミストや風にあたって気持ちよさそうにしているタロウの姿が見られるかもしれません。

 これから暑い日が続きます。動物園に遊びにきたら、しっかりご自身の水分補給もしたうえで、気持ち良さそうにヌタ場に浸かっているカメ吉や、ミストにあたっているタロウに会いに来てください。

〔上野動物園両生は虫類館飼育展示係 齋藤祐輔〕

(2015年07月24日)


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