上野動物園の子ども動物園で、今年もトカラヤギが3頭生まれました。2015年5月31日に「ナズナ」がオス1頭を、6月10日に「スピカ」がオスとメスの2頭を出産しました。ほぼ予定日どおりだったので、担当者としてはとても助かりました。
ナズナの子「ナギ」(オス)
ナズナは今回が初産です。出産直後、成長に必要な初乳を子にまったく飲ませようとしないどころか、子を攻撃する行動が見られました。そのため、職員が初乳を絞ったり、子の口に乳首をふくませたりするなどの手伝いをして、出産3時間後にやっと初乳を飲ませることができました。
その後、母性が目覚めたのか、献身的に授乳をし始めました。今では体重測定のために子を離すと、母親は悲鳴のように鳴き続けるため、いつも急かされながら子の健康チェックをしています。
一方、昨年繁殖に成功しているスピカは、出産から現在にいたるまで常に健康であり、安心して見守ることができました。
スピカの子 左「スバル」(オス) 右「スズ」(メス)
ナズナの子には「ナギ」(凪)、スピカの子はオスが「スバル」(昴)、メスは「スズ」(鈴)と名づけました。それぞれ母親から1文字を取るとともに、日本で古くから飼育されてきた在来ヤギなので和風な名前にしました。
現在、先に生まれた「ナギ」はナズナととともに公開しています。スバルとスズがみなさんの前にお目見えするのは、7月初旬の予定です。愛くるしい子ヤギ、そして献身的な子育てをする母親の姿を見に来てください。
〔上野動物園子ども動物園係 川鍋政孝〕
(2015年06月26日)