上野動物園のワオキツネザルの群れの中で、いちばん強いメスの「フウ」が、2015年3月19日、子を産みました。11月1日にはオスの「ジジ」との交尾を確認していますが、毎年3頭くらいのオスと交尾するため、父親はまだ不明です。
ジジは自分の子だと思っているのか、出産後3日間くらいは他のオスがフウと子に接近するのを許さず、夜眠るときもフウと子と3頭で寝ていました。
子は生まれてからの数日間、母親のお腹にしがみついているだけですが、5日ほどすると首を動かし、まわりを観察し始めるため、はっきり顔を見ることができます。出産から約1か月たった今では母親の背中に乗るようになり、少しですが地面にもおりるようになってきました。
群れの他の個体も赤ちゃんが気になるのか、舐めたり、触ったり、ちょっかいを出しています。あまりにもしつこいと母親のフウが怒っていますが、群れのみんなに見守られながらすくすくと成長中です。
〔上野動物園西園飼育展示係 下重法子〕
(2015年04月25日)