上野動物園の両生爬虫類館(ビバリウム)では、2015年3月24日から特設展示「両生類爬虫類のえさの食べ方 捕え方」展を開始しました(
8月30日[日] 10月18日(日)まで。
お知らせ)

動物は食べものを食べ、得た栄養で生きています。それは私たち人間も、鳥も魚も、もちろん両生類、爬虫類も同じです。しかし、人間と両生爬虫類では、食べるものや食べ方が大きく違います。
両生類や爬虫類がいったいどのようなえさを捕まえ、食べているのか──今回の特設展示では、そこにスポットをあてました。
展示の一部をご紹介しましょう。みなさん、ワニガメというカメはごぞんじでしょうか。ワニガメはアメリカに生息しているカメですが、ときには日本の湖沼で見つかり、外来種として話題になることもあるので、名前は知っている方も多いかもしれません。
また、成長すると最大で体重が 100キロ近くにもなり、その大きな口は噛む力も強く、「特定動物」にも指定されています(特定動物とは、動物愛護管理法で危険な動物として定められた動物のことです)。
そんな危ない動物として知られるワニガメですが、カメとして少し変わった獲物の捕え方をすることが知られています。ワニガメはふだん水の底で口を大きく開けながらじっとしています。じつはこの姿こそ、ワニガメの獲物の捕え方の大きな特徴です。

ワニガメの舌にはピンク色のミミズのようにも見える突起があり、じっとしたままその突起だけを動かして魚をおびき寄せ、捕食します。泳ぐスピードはあまり速くありませんが、近づいてきた魚を捕まえる瞬間、首を伸ばして噛みつくスピードは目にも止まらず、ふだんとのギャップに驚かされます。展示場でもワニガメが口を開けて突起を動かす姿を頻繁に観察できます。
この他、さまざまな両生爬虫類を展示するとともに、ヘビが大きな獲物を丸のみにできるしくみやカエルやカメレオンの伸びる舌などについて、図や骨格標本などを使ってわかりやすく解説しています。
特設展示「両生爬虫類のえさの食べ方、捕え方」は
2015年8月30日(日) 10月18日(日)まで。ぜひごらんください。
〔上野動物園は虫類館飼育展示係 澤田大地〕
(2015年04月17日)
(2015年08月06日更新)