2015年1月現在、上野動物園では12頭のワオキツネザルを群れで飼育しています。まもなく2月。一年のうちで一番寒い季節ですが、この時期、ワオキツネザルの展示場ではいっせいに日光浴をするようすや、群れで身を寄せ合って固まる「サル団子」が見られます。
ワオキツネザルは哺乳類ですが、代謝が低く、体温調整が得意ではありません。そこで、気温が低く晴れた日には、全頭がいっせいに太陽に向かって両腕を広げ、太陽エネルギーを利用して身体を温めます。
腹部に生えている白い毛の下には黒い皮膚があり、効率よく太陽熱を吸収します。とくにオススメの時間帯は、開園直後の9:30から1時間程度です。
また、サル団子は曇りの日や雨天時に多くみられます。団子のようにお互いに身を寄せ合って一塊となり、外気に触れる表面積を少なくしてお互いの体温で温め合います。
日光浴やサル団子など、じっとしている行動にも意味があるのですね。寒い季節を賢く生き抜くワオキツネザルたちの姿を上野動物園の西園でぜひご覧ください。
〔上野動物園西園飼育展示係 大賀幹夫〕
(2015年01月30日)