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不忍池で夕涼み、「音楽の夕べ」を開催しました
 └─2014/08/29

 2014年8月9日から17日まで9日間にわたって開催した上野動物園の「真夏の夜の動物園」。もちろん主役は夜の動物たちですが、いつもとは異なる雰囲気の園内では、巨木を巡るツアーや、アート作品の展示、ビアガーデンなど、動物園の別の顔を楽しんでいただくイベントも開催しました。

 西園のビアガーデンでは、大人の雰囲気で夕涼みを楽しんでいただこうと、期間中の土日4日間に音楽ライブを開催。題して「音楽の夕べ」。

 初日は、カリブ海トリニダード・トバゴ生まれの音楽「カリプソ」をトロピカルに奏でる「WADA MAMBO+アンドウケンジロウ」。2日目はスタンダードジャズをしっとりと聴かせる「酒井一郎トリオ」。次の週末の3日目は、ブラジルの伝統音楽「ショーロ」をベースにしたオリジナル・テイストの「コーコーヤ」。最後は伝統的なニューオリンズジャズから歌謡曲まで、楽しいステージの「森林とことり」。バラエティ溢れるバンドの皆様にご出演いただきました。

 登場する楽器も、ギター、クラリネット、ウッドベース、ヴィブラフォン、テナーサックス、ヴァイオリン、バンジョー、トランペットと何やら楽しげ。いずれもすばらしい演奏に、ビールもひときわ美味しくなろうというものです。

 不忍池に面したウッドデッキは、夕暮れからの水面を渡る涼風が心地よい魅力的なオープンエアの環境ですが、反面、雨の中だと魅力も半減です。しかも最初の2日間は台風11号が日本列島を通過中。担当者をやきもきさせる空模様の中、なんとか(!)予定された4公演をすべて開催することができました。

 ただ、「酒井一郎トリオ」の出演30分前には曇り空から大粒の雨が……。風も突然強まって、準備中の出演者とお客さんが嵐の中に取り残されたような状況になりました。これではさすがに演奏は無理、とリーダーの酒井さんに中止を持ちかけましたが、お客さんが横殴りの雨に耐えつつも演奏開始を待っている姿を見て、「いや、ここまできたらぜひ演奏したい。止むのを待ちましょう!」と仰ってくださいました。

 雨雲レーダーでの予想のとおり、豪雨をもたらした雨雲はやがて去り、15分遅れで何とかスタート。さすがにお客さんは少ないものの、雨風を耐えたステージと客席には連帯感が生まれ、親密な演奏になったようです。見上げれば、空には虹がかかっていました。

 そんなハプニングもあった今年の「音楽の夕べ」ですが、演奏をお目当てに何十年ぶりかで来園したお客さまが動物園の魅力を再発見し、ふだんあまり音楽を聴かないお客様もライブ演奏を楽しむ、新たなコミュニケーションの場にもなっていたようです。音楽とビールと動物園。動物園という場にさらなる魅力を添えるためにも、みなさんに楽しんでいただけるイベントを今後も企画していきたいと思います。

写真上から
 WADA MAMBO+アンドウケンジロウ
 酒井一郎トリオ
 コーコーヤ
 森林とことり

WADA MAMBO 公式サイト
酒井一郎さんブログ
コーコーヤ公式サイト
ハチャトゥリアン楽団(「森林とことり」の2人がメンバー)の公式サイト

〔上野動物園管理係 千足有彦〕




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