2014年7月24日、上野動物園両生爬虫類館(ビバリウム)のニシアフリカコガタワニを、横浜市の野毛山動物園に搬出しました。
今回搬出したのは、非公開エリアで飼育していたメス1頭です。現在、野毛山動物園でリニューアルオープンした爬虫類館で公開されています。
今回の移動は、ブリーディングローン、つまり繁殖を目的として動物園や水族館間で動物を貸し借りする契約)によるものです。上野動物園をはじめ、都立動物園・水族園ではブリーディングローンによる繁殖計画に積極的に取り組んでいます。
2014年6月6日のニュース(下記リンク)でもお知らせしたように、5頭いるニシアフリカコガタワニ成体のうち、相性のよい1ペアのみを数年前に同居させました。残る3頭も1頭か、2頭で飼育するように部屋をわけました。
落ち着いた環境になったためか、今回搬出した個体も2010年から産卵が見られるようになりました。しかし単独生活ですので無精卵です。その後も毎年産卵していますが、残念ながらペアにさせるオスがほかにいません。どうにかこの個体を繁殖に活かせればと考えていたところ、野毛山動物園から飼育展示したいとの申し出をいただき、移動することになりました。
クロコダイル科のワニは輸送のストレスに弱いと考えられているので、麻酔をかけた上での移動です。体重は17.6キロでした。今後の繁殖につながることを期待しています。
写真上:体重測定
写真下:車に積み込む
・ニュース「
ニシアフリカコガタワニの産卵」(2014年06月06日)
〔上野動物園は虫類館飼育展示係 多田和美〕