こちらの記事でお伝えしたとおり、ジャイアントパンダのシンシン(メス)に発情の徴候が見られたため、リーリー(オス)との同居に向けて、2014年3月6日(木)から公開を中止しました。
◎見きわめが大切なジャイアントパンダの繁殖
ジャイアントパンダの繁殖期は一般的には年1回、2月から5月に訪れます。しかし、この期間中にメスの妊娠の可能性が高まるのは数日間だけ。上野動物園では、メスの交配適期を見極め、2頭を同居させ、自然繁殖を目指しています。
◎発情期に見られる変化
発情が訪れると、雌雄ともに活動量が増えます。動き回ったり、マーキングと呼ばれる匂いつけをしたり、「恋鳴き」と呼ばれる発情期特有の鳴き声を上げたり、水に体をつけて冷やしたり。
活動量が増えるとともに、食べる量も減り、糞量も少なくなるので、日日の糞量の測定は重要です。また、外見的な体の変化や、ホルモン分泌量の変化も現れます。
◎2頭の状態
3月5日、シンシンは朝、オスに向かって恋鳴きをしていました。日中は動き回ることが多く、また、足を水につける行動も見られました。採食量も減ってきています。
同日午前、リーリーも恋鳴きをしていましたが、座っていることの方が多い状況でした。メスへの関心もあまり見られません。午後はマーキング行動も見せ、活動的でした。また、メスを少し気にしているようなようすも見られました。採食量は変化ありません。
◎網越しのお見合い
お見合い(といっても同居させるわけではなく網越しのお見合い)をさせて、お互いの反応を見るのは重要な観察項目です。これまで、3月2日以降、予備的なお見合いをさせてきましたが、本日3月6日から本格的なお見合いをさせています(1回10分程度、1日に何回かおこなう)。
◎今後について
行動に変化が認められたものの、まだ同居させる時期ではないと考えられます。引き続き、行動や採食量等の観察をおこないます。
(2014年03月06日)