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オカピの「ピッピ」ズーラシアへ
 └─2012/11/30

 2012年11月5日、上野動物園のオカピ「ピッピ」(メス)が生まれ故郷のよこはま動物園(ズーラシア)へ移動しました。ピッピは2000年11月21日、ズーラシアで誕生した国内初の繁殖個体です。2008年4月に上野動物園に来園し約4年半過ごしました。2008年には当園のメスのオカピ「カセンイ」が繁殖の目的でズーラシアに移動しています。このようにオカピの繁殖は、国内や海外の飼育動物園同士が協力して取り組んでいます。

 ピッピは人懐っこくておとなしい性格ですが、輸送箱の中で驚いてけがをする恐れがあるので、事前に箱の中に大好きな枝葉やペレットを入れて誘導することで慣らしていきました。これを続けていくうちに、ピッピは箱に入ると大好きな枝葉を食べられることを理解し、進んで入り、落ち着いて採食をするようになりました。

 約1か月間の輸送箱体験の甲斐あって、ピッピは怖がることもなく、搬出当日の作業は無事に終えることができました。

 移動の日には上野動物園から担当者が同行し、ズーラシアでのピッピのようすを観察しましたが、餌も食べ、落ち着いていることが確認でき安心しました。

 現在、国内でオカピを飼育しているのは上野動物園、横浜市のズーラシアと金沢動物園の3園です。このうち飼育個体数や施設の関係からズーラシアが中心となってオカピのペアリングなど繁殖をおこなっています。

 野生動物のペアリングはオスとメスの相性がとても重要で、出産経験があり、子育て上手なメスでも相手のオスと相性が合わない場合は交尾が成立しません。2008年からズーラシアで約4年間を過ごしたカセンイの場合、たびたびペアリングをおこないましたが、残念ながら繁殖にはいたりませんでした。

 今後ズーラシアでは、ピッピとともに繁殖に取り組む予定です。ピッピはすでに一児の母で、子のトトもズーラシアにいます。トトに続くかわいい子を生んでくれるよう、上野動物園から応援しています。ピッピ元気でね!

写真:口元からはみ出す舌がチャームポイントのピッピ

〔上野動物園西園飼育展示係 山岸まゆみ〕

(2012年11月30日)



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