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ニシローランドゴリラの「モモコ」と「ハオコ」が交尾?
 └─2012/08/31

 2012年に入ってから、子どもゴリラ「コモモ」のギィーという声が頻繁に聞かれるようになりました。ほかのおばさんゴリラに怒られたのか?と思って見に行くと、母親に甘えて抱きつこうとしていたコモモを、母親「モモコ」が頭を手で押さえ、引き離そうとしているところ。

 以前は日中の昼寝の際、コモモが母親の乳首に吸い付いて甘えるのが日課のようになっていましたが、4月ごろからそうした姿もすっかり見られなくなりました。

 かつては、部屋の出入りの際も、コモモはモモコに抱きついているのが当たり前だったのですが、今ではモモコがすぐに引き離すようになり、自立を促している母親という感じです。

 夜間が暖かくなってきたことで、子どもの接触を拒む行動も加速したのか、コモモはモモコから離れて寝ることが増えてきました。 

 これらモモコの行動の変化に加え、オスの「ハオコ」が妙にモモコに関心を示して近くにいようとすること、また、モモコのにおいが周期的に変化していることなどから、モモコの発情が戻ってきたことを確信しました。

 ゴリラの母親は、子どもが離乳し、次の妊娠ができる状態になるまで長い時間がかかります。その間、子育てを一生懸命におこないます。

 5月末、コモモの出産後初めてモモコとハオコの交尾が確認され、8月13、14日には5月よりも積極的な交尾が見られました。そのようすを間近で見ているコモモには、最高の学習の機会であったと思います。

 今年1月から、ゴリラたちは夜、寝室でも一緒にくらしているので、ゴリラ同士の接触が増えています。最近、コモモはトトと急に親密になり、トトの背中に乗って部屋を出入りすることも多くなりました。たまにトトやナナに怒られることもありますが、それも群れの中で生きていく術を学ぶ大切な経験です。

 順調にいけば、コモモがお姉さんとなり、新たな経験を得る日が近い将来来ることでしょう。

写真上:同居の室内で両親の交尾を見つめるコモモ
写真下:最近トトの背中に乗って移動するのがブームのコモモ

〔上野動物園東園飼育展示係 木岡真一〕

(2012年08月31日)



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