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おかえりなさい、カセンイ
 └─2012/08/17

 2012年7月2日、よこはま動物園ズーラシアからオカピのカセンイ(メス)が上野動物園に帰ってきました。

 カセンイは1994年にアメリカのサンディエゴ動物園で生まれ、2001年上野動物園へ来園。その後2008年に共同繁殖を目指しズーラシアへ移動しました。今回のズーラシアからの移動は、カセンイにとっては里帰りのようなもので、じつに4年ぶりの上野動物園となりました。

 今まで展示していたピッピ(メス、11歳)より一回り以上も体が大きく、長い脚にきりっとした顔つきが特徴のべっぴんさんです。右耳の切れ込みが目印なので見分けてみてください。フレンドリーな性格のピッピとは対照的にカセンイは神経質で恥ずかしがり屋で、上野動物園へ帰ってきた直後は、飼育係が部屋に入るとじっとこちらを観察し、緊張しているらしく、近くには寄ってきませんでした。しかし5日ほど経つと気持ちが落ち着いてきたのか、ゆっくりと近づき体に触れることを許してくれました。首のあたりを少しなでてやるとしばらくしてまた離れてしまいます。飼育係に対して、興味はあるけどやはり慎重派なカセンイです。これから時間をかけて距離を縮めていく予定です。

 現在オカピの運動場では、ピッピとカセンイを仕切りで分けて展示していますが、2頭の関係は良好のようです。仕切り越しにお互いの匂いを嗅いだり、体を舐め合ったりする姿をよく見かけます。今後2頭の良好な関係が続くようであれば、一緒に展示する日がくるかもしれません。

 カセンイは、サンディエゴ動物園では2頭の子を産み育てた経験がありますが、ズーラシアのオスとは相性が合わず繁殖には至りませんでした。野生動物のペアリングの難しさを痛感しました。

 現在日本でオカピを飼育している動物園は、上野動物園のほかに横浜市のズーラシアと金沢動物園の3園のみです。今後も上野動物園は、横浜市の動物園や国外の動物園と協力してオカピの繁殖を目指していきます。

写真上:室内のカセンイ
写真下:放飼場の2頭(左奥がカセンイ)

〔上野動物園西園飼育展示係 山岸まゆみ〕

(2012年08月17日)



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