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ポットベリーの季節限定メニュー
 └─2012/07/27

 上野動物園子ども動物園内には、いろいろな種類の植物があります。なかよし広場にある「ヤマモモ」の木には、毎年梅雨のころに赤くておいしそうな実がたくさんなります。このヤマモモは甘酸っぱく、人もジャムやお酒にして食べることができますが、なかよし広場ではヤギやヒツジがこぞってこの実を食べに来ます。

 かなりたくさんの実が落ちるので、広場の隣のともだち牧場にいるとても食いしん坊なチャイニーズポットベリーという種類のブタ2頭にも、季節限定のメニューとして食べさせてみることにしました。そのためにはヤギたちのいるなかよし広場にポットベリーを出さなくてはなりません。ともだち牧場の扉を開けると、いつもは行かないところのためか、周りの臭いを嗅ぎながら慎重に広場へ1歩踏み出した、と思った瞬間、ヤマモモの臭いを嗅ぎつけ勢いよく食べ始めました。

 その後、ヤマモモを食べつつ、ヤギに威嚇されながら久々の広い放飼場を満喫していました。部屋に戻そうとすると、おいしい餌がたくさんある広場が気に入ったのか、いくら呼んでも2頭ともまったく戻ってくる気配がありません。大好物のニンジンをチラつかせて、悪戦苦闘しながらなんとか無事に戻しました。

 1週間後、ヤマモモはさらにたくさんの実を落としていたので、またまたポットベリーたちを広場へ出しました。2回目ともなると、扉を開けた途端「待ってました」とばかりに出てきます。しかし今回は目の前のヤマモモを通り過ぎ、まっしぐらに広場奥にいるアグーに向かって行きました。アグーが外に出られないことをいいことに、自慢するかのように前を行ったり来たり、少し性格が悪い一面を見た気がしました。

 担当者が呼びに行くと、ようやくヤマモモを食べ始めました。かなりの量があったため、ポットベリーは口の横に赤い泡をつけながら必死に食べていました。満足したのか、今回はスムーズに部屋へ戻っていきました。

 後日談ですが、ふとポットベリーの便を見てみると薄っすら赤い色になっていました。あれだけヤマモモを食べれば便も赤くなることでしょう。

写真:ヤマモモを食べるポットベリー

〔上野動物園子ども動物園係 渡邊葵〕

(2012年07月27日)



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