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コサンケイのひな誕生!
 └─2012/05/25

 2012年5月6日、上野動物園東園でコサンケイのひなが誕生しました。このひなは、トラとライオンの放飼場の間にあるコサンケイ舎で母鳥が24日間卵を温め続け、孵りました。現在3羽がすくすくと成長中です。

 孵るとすぐに自分で採食し、元気に歩きまわっていました。日に日に大きくなり、風切り羽も伸び、10日もすると小さい体で運動場の端から端まで飛びまわれるようになりました。

 雨の日や寒いときには、母鳥の胸の中に入って温めてもらいます。飼育係が給餌や掃除のためにそばに行くと、父親が一生懸命に外敵(飼育係)を威嚇しひなを守ろうとします。

 ひなの成長は早く、大人になると親鳥とは一緒にくらせなくなります。どうぞ今のうちに、ほほえましいコサンケイ親子をごらんください。

 コサンケイはキジのなかまで、ベトナムにしか生息しない鳥です。ベトナム戦争の際、枯葉剤という薬がまかれて森林が急激に減り、コサンケイはすみかを奪われてしまいました。

 野生のコサンケイは1996年を最後に目撃情報がありません。 野生のコサンケイは2000年を最後に確実な目撃情報がありません(2009年にも目撃報告がありますが、別種とも考えられています)。

 上野動物園では、このコサンケイを将来まで残せるように計画し、飼育に取り組んでいます。

写真:コサンケイの親子
参考:BirdLife Internationalのコサンケイ情報ページ(英文)

〔上野動物園東園飼育展示係 松井由希子〕

(2012年05月25日)
(2012年06月25日、コサンケイ目撃情報について修正)



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