2011年12月19日、アメリカのサンディエゴ動物園から上野動物園にアイアイのオス「ヒッチコック」がやってきました。
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「アイアイがやってきました」(2011年12月22日)
ヒッチコックが成田空港に到着したのは2011年11月17日。1か月間の検疫をおこなうため、一緒に来日したミシェル・スタンサーさんだけがまず上野動物園を訪れ、情報交換をおこないました。
ヒッチコックは成田での検疫後12月19日に来園しましたが、今度は園内の動物病院で再度検疫をおこなったので、担当者はまだ会うことができませんでした。獣医師からヒッチコックのようすを聞きながら、早く会いたいと思っていました。
そして2012年1月23日の朝、長い検疫期間を終えてヒッチコックが「アイアイのすむ森」に入りました。6歳の成獣には見えない幼い顔をしているな、というのが第一印象でした。検疫期間中は巣箱に入っていることが多かったと聞いていましたが、部屋に入るとすぐに辺りの臭いを嗅ぎ始めあちこち動き回り、活発な動きを見せました。
次の日に見ると、歯で噛み取った多くの枝を巣箱に集めて寝ていました。部屋を気にいってくれたようです。ドア止めのゴムまで噛み取っており、その翌日にはドア止めのネジまで回して取っていました。
「恐るべし、ヒッチコック!」今度はどこを壊されるのかヒヤヒヤものです。
1頭で過ごしているときは枝の上や地面を走り回り、まるで暴れているようにも見えますが、飼育係が部屋に入ると、近くに寄ってきて臭いを嗅いだり毛づくろいをしたりしながら、とてもおとなしくなります。人間のことが好きで人のそばにいると安心するようです。餌も問題なく食べているので一安心ですが、今の環境に完全に慣れるまでしばらくは非展示です。公開の日を楽しみにお待ちください。
〔上野動物園西園飼育展示係 下重法子〕
(2012年02月03日)