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キリンの「ヒナタ」が来園
 └─2011/07/15

 2011年6月27日、上野動物園に野毛山動物園からキリンの「ヒナタ」(オス、1歳)がやってきました。上野動物園でオスのキリンを飼育するは16年ぶりのことです。

 ヒナタは、お母さんキリンの母乳が出ないため、飼育係に育てられてきました。そのせいかよく人に慣れていて、性格もとてもおおらかです。慎重で神経質なところのある先住キリン「コハル」(メス、14歳)と毎日接していた私は「こんなキリンがいるのか!」と驚いたり感心したりしています。

 そんなヒナタも、上野に来たばかりのころはウロウロと歩き回り、落ち着いて餌を食べることもありませんでした。しかし持ち前のおおらかさでどんどん環境に順応し、コハルとの同居に向けてのステップを着々とこなしています。

 さらに意外なことに、最近ではコハルの性格も丸くなり融通がきくようになってきました。コハルは環境の変化に慣れるまで時間がかかる個体なので、新しいキリンが来ることでピリピリするかな、と思っていたのですが、嬉しい誤算でした。キリンは群れでくらす動物なので、仲間が来たことでコハルも安心したのかもしれません。

 今現在は午前中にヒナタ、午後にコハルを外の運動場でごらんになれます。まだまだ子どものヒナタは、急に走り始めたり思わぬところに顔を入れたり舐め始めたり……、コハルとは違う行動をいろいろと見せてくれています。ぜひ賑やかになったキリン舎に遊びに来てください。室内観覧通路では、野毛山動物園からいただいたメッセージも展示しています。

〔上野動物園西園飼育展示係 高津磨子〕

(2011年07月15日)



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