カリフォルニアアシカが東園から西園のカバ舎へ移って2年目になりました。ずいぶんと環境にも慣れ、2011年6月21日には新たな家族が増えました。
◎ニュース「
アシカとペンギンたちを西園に移動」(2010年04月16日)
今年出産したのは、チャッピー(15歳、メス)で、6回の出産経験をもつベテランママです。
数か月前からお腹がふくれてきたので、チャッピーが妊娠したことはわかっていました。変化が現われたのは、6月19日のことです。朝から室内でよく鳴き声をあげ、他の個体を寄せつけなくなったのです。
これはそろそろ出産では?──と思った私は、その日から室内展示場を非公開とし、静かな環境で出産ができるよう準備をしました。
こうしたチャッピーの行動の変化は、他の個体にも影響をおよぼしました。昨年の生まれの「チャップ」は、この日からチャッピーに甘えなくなりました。初めは母親に寄り添おうとしていましたが、「ガァー」と威嚇されていました。その寂しさを紛らわすためか、「かえ」と行動し、じゃれるようになりました。「かえ」はチャップと同じく、去年(2010年)生まれた個体です。チャップとかえはケンカしたり、寄り添って寝たり、2頭でいる時間が増えました。
6月21日の朝、出勤するとすでに小さな黒い塊が、チャッピーのお腹にくっつき、チュパチュパと音を立てながらおっぱいに吸いついていました。ホッとすると同時に、これから無事に成長してもらうためにも、飼育係としてあらためて気を引き締めました。
さて、生まれた仔はオスでした。名前は、毎年母親の文字をとってつけています。今回はチャッピーの仔なので、「チャロ」としました。
チャッピーがいないとまだ何もできないチャロですが、これから泳ぎを覚えたりしながら、日々成長していくはずです。そんなチャロの成長を見守ってください。
・東京ズーネットBBの動画から
「
カリフォルニアアシカ、2頭誕生」(2010年07月撮影)
〔上野動物園西園飼育展示係 齋藤圭史〕