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初めまして、アカカワイノシシの「リク」です
 └─2011/07/01

 2011年6月6日、上野動物園西園オオアリクイ展示室の隣に、よこはま動物園ズーラシアからアカカワイノシシが来園しました。2006年4月18日生まれのオスで、名前は「リク」です。

 アカカワイノシシはアフリカに生息していて、今まで国内ではズーラシアでしか見ることができませんでしたが、今回ズーラシアで繁殖した個体を借り受けることになりました。

 イノシシというと、日本にも野山を駆け回るニホンイノシシやリュウキュウイノシシがいますが、そうした黒褐色の体毛とは対照的に、アカカワイノシシは体の色が赤褐色で、一目見てとても美しいという印象を受けました。種名の「アカ」はこの体色からきています。
 背中の中心に白い毛が生えていて、その一部は長くなっています。この長い毛は、警戒したときなどにピンと立つという特徴があります。

 上野動物園に来る前、ズーラシアへリクを視察に行ったときには、物怖じせず、人によく慣れており、新しい環境にもすぐに慣れるだろうと思っていました。しかし予想に反して、搬入後2日間はまともに餌も食べず、白い毛を直角に立て落ち着きがありませんでした。

 10日間の検疫後に公開したのですが、ずっと室内にいたので、体力があまって外に出したらさぞ喜ぶだろうと思いきや、扉を開けたとたん警戒し、フリーズしてしまいました。その後パニックを起こして小走りを始めたので、その日は扉を閉め、公開を終えました。

 翌日以降、毎日外に出る練習をして、少しづつ慣らしていきましたが、結局10日ほどかかりました。とても慎重で穏やかで繊細なリクです。
 今では、放飼場の土を掘り回ったり、係員に対しても尾を振ったり、だいぶ慣れてきました。ぜひリクに会いにきてください。

〔上野動物園西園飼育展示係 多田和美〕

(2011年07月01日)



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