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テングキノボリヘビの展示開始
 └─2010/09/10

 上野動物園の両生爬虫類館(ビバリウム)では、2010年9月1日よりテングキノボリヘビの展示を開始しました。 昨年度の特設展「マダガスカル‐ゴンドワナの落としもの」以来2度目の登場です。

 このヘビの特徴は、なんといっても顔の先端にある角状の突起です。これが天狗の鼻のように見えることからテングキノボリヘビと名付けられました。
 本物の鼻は普通のヘビと同じような位置(眼の少し前)にあるので、うわくちびるの先に角が生えているというほうが正確かもしれません。いかにも意味ありげなこの角ですが、実は役割はよく分かっていません。飼育していても、とくに使っているようすもなく、むしろ餌を食べるときには少しじゃまそうに見えるときすらあります。

 もうひとつの特徴は、オスとメスで外見がまったく違うということです。ほとんどのヘビは外見に雌雄の違いがありません。ところが、テングキノボリヘビのオスとメスは、別の種なのではないかと疑いたくなるほど違う姿をしているのです。
 オスの背中はオレンジ色に近い茶色で、腹部は鮮やかな黄色です。それに対してメスは全身が枯れた枝のような色をしています。また、角もオスでは日本刀のような形をしているのに、メスではノコギリのようなギザギザがあります。そして、どうして雌雄でこんなに違うかたちをしているのかも、また分かっていないのです。

 こんな不思議なヘビをぜひ見に来てください。メスは枝にそっくりなので見逃さないようにご注意を。

写真上:オスは日本刀のような形の口先
写真下:メスはノコギリのようなギザギザがある

〔上野動物園は虫類館飼育展示係 坂田修一〕

(2010年09月10日)



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