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タテガミオオカミとヤブツカツクリを移動
 └─2009/12/31

 こちらのニュースでお伝えしたとおり、2009年11月24日、上野動物園西園の「イソップ橋下展示場」にいたオオアリクイを、小獣館近くのツチブタ展示場の隣に移しました。

 これにつづいて2009年12月17日、タテガミオオカミを隣の展示場へ移動させました(そのさらに隣はオオカンガルー展示場)。そして、タテガミオオカミがいた放飼場にヤブツカツクリを移しました。

◎タテガミオオカミの移動

 現在、タテガミオオカミはオスの「ジグ」しかいません。しかし、今後ペアで飼育する可能性もあるので、屋内展示室2つと屋外放飼場1つを合わせて利用できるようにしました。屋外放飼場には立派な倒木がありますが、これは以前ここにいたミナミジサイチョウの止まり木として使っていた、樹齢数十年のものです。放飼場内に植えた植物とともに、隠れ場所として設置してあります。

 タテガミオオカミの放飼場は2つの放飼場に挟まれていますが、その境界部分には半丸太(丸太を半分に縦割りしたもの)で作った柵を設けました(写真)。隣の動物が見えるとタテガミオオカミが落ち着かなくなってしまうためです。柵の高さや素材、全体の見た目などについていろいろ検討しましたが、丸太を使ってしっかりとした構造にすることにしました。使った半丸太は約200本! 設置はすべて飼育職員がおこないました。

 新展示場に慣らすため、12月7日からこれまでの展示場との間を自由に行き来ができるようにしました。ジグはどちらかというと繊細な性格なので、初日は慎重な態度を見せるかと予想していましたが、餌につられて新しい展示場にすんなり入ったのは意外でした。その後すぐ餌を食べ、新展示場を一周し、1メートルほどの高さのある植物すべてをまたいでマーキングしていました。

 初日からジグは柵に手をかけ、隣のオオカンガルーを覗いて驚かせたりもしていましたが、3日も経つと休息場所も定まり、落ちついてきたので12月17日から新展示場だけを利用できるようにしました。

◎ヤブツカツクリの移動

 室内展示場で展示していたヤブツカツクリは、タテガミオオカミがいた放飼場に移しました。当初、放飼場を少し整備してから移動する予定でしたが、オスが繁殖態勢に入り、12月14日から室内で塚を作り始めてしまいました。担当者としては、「早くしてよ!」とお尻を叩かれた感じです。そこで手早く整備をおこない、12月17日、タテガミオオカミの移動完了を見はからって、ヤブツカツクリを移動させました。

 アイアイとハイイロジェントルキツネザルを「アイアイのすむ森」に移した後、このエリアにオオアリクイを移しましたが、今回の移動にともない、計画されていた整備と移動は完了しました。

 今後、タテガミオオカミのメスとオオアリクイのオスの来園を待ち、このエリアでの繁殖に取り組む予定です。

写真上3点:タテガミオオカミと放飼場
写真下2点:ヤブツカツクリと放飼場

〔上野動物園西園飼育展示係 多田和美〕

(2009年12月31日)



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