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もう1頭のシャモア
 └─2008/06/06

 2008年5月2日付のニュースでお知らせしたとおり、多摩動物公園では5月から雌雄各1頭のシャモアを展示しています。

 「アルプスの貴公子」と呼ばれることもある端正な顔立ちをしているシャモアは、すでにかくれた人気者になっています。

 シャモアたちが生息している山岳地帯での行動をお見せするため、展示施設の半分以上は急斜面になっています。また、飛びぬけたジャンプ力をもち、助走なしで高さ2メートルくらいは跳びこえられるので、放飼場は高い柵で囲われています。(シャモアの動くすがたは、東京ズーネットBBの「シャモアがデビュー!」で動画をごらんください。)

 閉園間際の日本カモシカセンターから3頭のシャモアが多摩動物公園にやってきたのは、2006年11月のことでした。オスの「ヤックル」とメスの「アルプス」、そして、2頭の子どもであるオスの「モンブラン」です。

 来園当時、モンブランはまだ体や角が小さく、母親のおっぱいを吸っているような子どもでした。母親より大きくなっても、飼育担当者がようすをうかがうために部屋を覗くと、母親の後ろに隠れてしまうような臆病者でした。今年(2008年)の春ごろから、放飼場で母親に追われたり、たがいに角を突き合ったりするようになりました。こうなると母子を分けるべき時期なのですが、別々に飼育するスペースがまだありませんでした。

 そしてシャモアの展示施設が完成! シャモアたちを移動させるにあたり、母と子を分けました。母親アルプスと父親ヤックルは、3日も経つと施設に慣れてくれたのですが、モンブランは1週間くらい落ち着かないままでした。でも、今ではすっかり移動前の落ち着きを取り戻しています。

 2008年5月22日、モンブランは2歳の誕生日をむかえました。体つきはしっかりし、角もりっぱに育ち、成獣の雰囲気をただよわせるようになりました。元気に放飼場を走ったり跳んだりしています。

 しばらくは非公開での飼育が続きますが、施設の整備が進めば、みなさんの前にお目見えすることができるようになるかもしれません。

写真上:来園時のモンブラン
写真中:現在のモンブラン
写真下:放飼場を跳ぶモンブラン(高さ3メートル以上ある擁壁の上を飛んでいます)

〔多摩動物公園南園飼育展示係 井上智右〕

(2008年06月06日)



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