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トキの飼育を始めます!
 └─2007/12/10

 多摩動物公園では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するため、佐渡トキ保護センターからトキ4羽(雌雄2組)をあずかることになりました。鳥インフルエンザ等の感染症に備えるための緊急措置であり、一般公開の予定はありません。

 2007年12月13日(木)午後9時以降に到着予定です。

 かつてのトキは、中国、ロシア、朝鮮半島、台湾、日本など、東アジア一帯に広く分布しており、決してめずらしい鳥ではありませんでした。しかし、乱獲と環境の悪化により、20世紀後半には中国と日本だけに残る希少な鳥になっていました。

 ところが、日本では、2003年10月にメスの「キン」が死亡したことにより、野生で生まれたトキは絶滅。1999年に中国から個体が贈られ、佐渡トキ保護センターで飼育と繁殖が続けられています。

 2007年12月10日時点での国内飼育数は、佐渡トキ保護センターで90羽、佐渡トキ野生復帰ステーションで5羽、計95羽です。しかし、1か所で飼育していると、病気などが発生した際、全飼育個体が死亡してしまうおそれがあります。そのため、鳥インフルエンザの発生しやすい真冬がおとずれる前に、他の場所に移すことになりました。

 多摩動物公園をはじめ、都立動物園ではトキ近縁種の飼育を通じて、餌の開発や人工孵化・育雛など、トキ飼育繁殖技術の確立につとめてきました。同時に、過去40年以上にわたって、佐渡トキ保護センターでの飼育繁殖に技術協力をしています。こうした実績と信頼関係のもと、このたび多摩動物公園がトキをあずかり、飼育することになりました。

 多摩動物公園はすでにトキ科鳥類10種の飼育繁殖に成功しているとともに、園内には都立動物園における保全活動の中枢をになう野生生物保全センターが設置されています。

・取材について

1.トキ到着時の取材はできません。ご了承ください。

2.来園したトキの写真データを、来園日翌日の2007年12月月14日(金)午前11時から提供します。
 報道用写真データをご希望の方は、多摩動物公園教育普及課の金子(代表:042-591-1611[午後5時まで]、直通:042-591-1689)、あるいは東京都建設局公園緑地部管理課の日浦・須藤(直通:03-5320-5365、内線41-231)までご連絡ください。

写真:佐渡トキ保護センター提供

(2007年12月10日)



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