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弟誕生でちょっとさびしい?──チンパンジーのアンナ
 └─2007/11/09

 先週お知らせしたとおり、2007年10月13日、チンパンジーのマリナが第2子(オス)を出産しました(先週のニュース

 今回は、弟が生まれてお姉ちゃんになったアンナについてお話ししましょう。お母さんが育てている場合、人間とはちがってチンパンジーに「年子」はありません。つぎの子が生まれるまで、たいてい3~4歳まではお母さんをひとりじめしています。弟が生まれたときのアンナは2歳8か月。ちょっと早い弟の誕生です。

 運動場のアンナは、まるで母親のマリナのことなど忘れたように、ほかの子や大人たちと遊んでいますが、やはりまだまだ子ども。寝るときはお母さんが恋しいようです。

 これまで母親にくっついて寝て、好きなときにお乳を飲めていたのに、弟が生まれてからはそのポジションをとられてしまいました。アンナはさびしいのか鳴き声をあげますが、母親は呼び寄せてくれません。アンナはあきらめたのか、母親の足や背中に一生懸命くっついて寝ています。そんなアンナを見ていると、不憫に思えてなりません。

 母親マリナもアンナの気持ちを理解しているのか、ときどき熱心にアンナの毛づくろいをしています。アンナも気持ちよさそうに、久しぶりのお母さんを堪能(?)しています。

 アンナにとって今は、弟がかわいいというより、お母さんを奪われてさびしいという気持ちのほうが大きいように思えます。もう少しして、弟がちょこちょこ動くようになると、そのかわいさを実感し、うっとうしがられても弟につきまとうはずです。半年もすれば、お姉ちゃんとして弟の子守りをするアンナのすがたが見られることでしょう……きっと!!

〔多摩動物公園北園飼育展示係 高村里美〕

(2007年11月9日)



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