ニュース
キリン「カンスケ」の群れ入り
 └─2007/11/02

 長野市茶臼山動物園から多摩動物公園へ、繁殖のためにキリンのオス「カンスケ」がやってくることを下記ニュースでお伝えしました。。その後の経過をお知らせします。

・ニュース「キリン『ユウ』の旅立ち、『カンスケ』の来園

 茶臼山動物園では、担当者がカンスケの四肢に直接薬を塗ることができるほど人間に慣れていました。ところが、輸送箱に対してはなかなか警戒心を解いてくれず、出発直前になってようやく箱に慣れ、なんとか無事に多摩動物公園に到着しました。箱の中のカンスケは比較的落ち着いたようすでしたが……いざ動物舎に入れる際、なんと木製の「馬栓棒」(ませんぼう:扉を開けても動物が外に出ないよう、横にわたした棒)を一瞬で折ってしまうほどの勢いで箱から飛び出し、室内に入って行ったのです。

 このように強烈な印象を私たちに植えつけたカンスケですが、今年(2007年)6月に来園したメスの「アミ」同様、今回も多摩の養母役「ユメ」と翌日から同居させたところ、すぐに寄り添い、ユメを慕うような行動を見せ、私たちもひと安心しました。

 カンスケは、約1か月早く生まれたメスの「ユーカリ」よりも若干大きいのですが、それでもまだ1歳に満たない子どもです(2007年10月22日生まれ)。ユメを頼りにしているすがたは、なんともかわいいものです。その後もトラブルになるようなことはなく、餌もよく食べ、日に日に、キリンどうしだけでなく、私たちとの距離も縮まっていくのが感じられました。

 当初、カンスケを群れに入れるまで1か月の予定を組んでいましたが、予想以上に順調だったため、ユメとの同居は1週間で終え、次の1週間はおとなしいメス2頭と入れ替えながら同居させ、10月23日、キリンのみの群れに入れてみました。翌10月24日には、シマウマやオリックスとも同居し、完全な群れ入りを果たしました。

 ドラマのお決まりシーンのような、シマウマやオリックスに追い回されるお節介なあいさつ(?)もなく、早くも悠々と放飼場を闊歩するようすは、「天下取ったる!」と言わんばかりの威風。あたりを払うような存在感です。まだまだ繁殖への道のりは長いのですが、首を長くして“その日”を無事に迎えられるよう、育てていきたいと思います。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 清水勲〕

写真:右がカンスケ
(撮影:多摩動物公園北園飼育展示係 坂本千尋)

(2007年11月2日)



ページトップへ