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自分で薬を飲むオランウータンの「ジプシー」
 └─2007/08/03

(動画へのリンクは、下の方↓をごらんください。)

 オランウータンの「ジプシー」(メス、推定年齢51歳)が、自分で薬を飲みだしました。動画情報とともにご紹介します。

 今年は梅雨に入ってから暑い日があったかと思うと急に涼しい日があり、天候も不安定な日が多く、オランウータンたちにとっても体調を崩しやすい時期でした。

 そんな中、高齢のジプシーが2007年6月15日から微熱を出し、元気がなくなりました。食欲もないようです。風邪の心配もあるので、タミフルなど抗生物質を与えました。6月22日には回復し始めたようでしたが、6月24日以降、ふたたび食欲がなくなり、あごの辺りをおさえて横になっていることが多くなりました。虫歯でなければいいのですが……と思いつつ、早く元気になってもらおうと、朝と夕方、何種類かの薬をジプシーに与えました。

 ジプシーはあまり腸がじょうぶではありません。そこで、朝夕計2回、1回につき2包の整腸剤も与えています。封を切って口の中に入れてやるのですが、ジプシーはこの整腸剤がとても好きなのです。

 よくお客さんから、「オランウータンの口に薬を入れたら、後で水を与えているのですか」と聞かれるのですが、「ヒトとはちがうんですよ」と答えています。

 そんな中、6月27日夕方、間違って整腸剤1包をオリの中に落としてしまいました。回収できなかったので、翌朝確認すると、自分できれいに袋を破り、中身はすっかりなくなっていました。

 そこで、ためしに整腸剤 2包を一つずつジプシーに渡したら、その場できれいに袋を破り、あっというまに飲んでしまいました。なんだか楽しそうです。

 その後、ジプシーは元気を取りもどしましたが、薬の時間になると、整腸剤をほしがるそぶりを見せるようになりました。

 動画はこちら↓をごらんください。
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 ジプシーは整腸剤の袋を手でちぎって開けたり、口でちぎって開けたり。手のひらにポンポンと当てて中身を出したり、袋を開いてなめたりしていました。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 黒鳥英俊〕

(2007年8月3日)



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