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キャベツでモンシロチョウの幼虫を展示
 └─2007/08/03
 多摩動物公園の昆虫園では、チョウの飼育室がガラス越しに見られるようになっています。ここで、数種類のチョウの幼虫を展示しています。毒々しい色をしたツマムラサキマダラの幼虫、金色に輝く蛹のとなりにオオゴマダラの幼虫、若令のときは鳥の糞のようなナミアゲハの幼虫。

 そして、丸ごと置いたキャベツの上に「青虫」(モンシロチョウの幼虫)を展示しています。目を見張るほど「ハデな」幼虫たちだけでなく、身近なチョウの幼虫も見ていただこうと考えた展示です。

 昔なら、八百屋さんのキャベツでも青虫はつきものでした。しかし今では、そんなキャベツを見かけることもなくなりました。お客さんの中には、キャベツの上の青虫を見て、昔を思い出している方もいらっしゃるようです。

 今ではあまり強い農薬は使われていないようで、青虫にとっても安心です。まず外側の葉を2~3枚むいてから、幼虫を乗せます。ハラペコの青虫たちが食べ進み、葉脈が目立つようになったら、葉をさらにむいてやります。

 ごぞんじのとおり、キャベツをむいていくと、あらわれる葉の色はだんだん白くなります。青い葉を食べて育った幼虫は体色も濃く、元気に育ちますが、白い葉っぱを食べて大きくなった幼虫は体の色が薄く、虚弱に育つようです。

 そこで、葉色が白くなったキャベツは展示室から引き上げ、土を入れた植木鉢の上に置いて、しおれてしまわない程度の日光にあててやります。こうしておいて葉色が青くなったら、再度展示に使います。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 深谷高司〕

(2007年8月3日)



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