2007年2月2日に多摩動物公園でシロオリックスが出産したことは、
すでにお知らせしました↓。「サフラン」と名づけられたメスの赤ちゃんは、生後2か月を過ぎ、順調に成長しています。
誕生当初のサフランは、体の白いおとなたちとはちがい、全身が淡いキャラメル色をしていました。野生では、オリックスの子どもはやぶの中に身をかくしながら、母親が戻って来るのを待っています。やぶの中では、子どもの体のキャラメル色が保護色となるのです。
ところが、子どもの体色は、生後2か月をすぎたころから急速に白くなり、生後3か月ごろには、ほぼおとなと変わらない白色に変化します。写真は、生後1か月と2か月ごろのもの。体色が急に白くなっていくようすが、おわかりいただけると思います。
子育てはおもに母親の仕事です。母親は授乳しながら子どものお尻をペロペロなめ、排泄をうながします。ときには子どものフンを食べてしまうこともあります。大人のフンは銀杏ほどの大きさで、黒い粒状ですが、ミルクしか飲んでいない赤ちゃんはミルク色のフンをします。
生後1週間もたつと、赤ちゃんは草を口に入れるようになりますが、まだ草をちゃんと食べることはできません。草を口の中で遊ばせながら、少しずつ食べ方をおぼえていくのです。ちゃんと草を食べるようになるには、1か月ほどかかります。草を食べるようになって初めて、大人と同じ黒い粒状のフンをするようになります。でも、大きさはまだ7ミリくらい。これから、成長とともに、フンも大きくなります。フンにも、サフランの成長があらわれるのです。
写真上:2007年2月28日撮影
写真下:2007年4月7日撮影
〔多摩動物公園北園飼育展示係 坂本千尋〕
(2007年4月13日)