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泳ぐゴキブリ飼育中──2007/01/12

 え? ゴキブリ? と思われるかもしれませんが、多摩動物公園では、さまざまな昆虫を冬でも飼育・展示しています。今回ご紹介するのは「泳ぐ」ゴキブリです。

 かたちを見ると、からだは扁平、幅は広く、楕円形をしています。すばやく走り回り、すきまに隠れるのが大好きです。見れば「ふつう」のゴキブリですが、水をはった飼育ケースの中で泳いでいるのです。

 水を恐がらないこのゴキブリは、昨年(2006年)10月のおわりに石垣島で採集したヤエヤママダラゴキブリの幼虫です。ゴキブリにしてはめずらしく、流水の中の石や落葉の下でくらしています。

 採集したときは、体長1センチにも満たない個体が多かったのですが、ずいぶん大きくなってきました。ヤエヤママダラゴキブリは、じつは飼育がむずかしい種類です。このまま順調に育ち、羽化に成功すれば、春には体長5センチにもなる大型の成虫が、夜行性昆虫コーナーに登場します。

 ゴキブリだからと毛ぎらいせず、そのユニークなすがたと行動をごらんください。

写真上:水の中でも濡れません
写真下:2年前に撮影した成虫の写真。うまくいけば、このように大きくてきれいな?成虫が見られるはず

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 松本徹郎〕

(2007年1月12日)



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