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ボルネオ、初スカイウォーク!──2006/05/26
 2006年5月17日の休園日、約1年ぶりにオスのボルネオ(21歳)をタワーのある放飼場に出しました。タワーをのぼると、地上約15メートルの高さにロープがはられており、その長さ約 150メートル。これが「スカイウォーク」です。

 昨年(2005年)4月28日に新オランウータン舎がオープンし、当初はボルネオを何度かタワーのある放飼場に出していましたが、最初のタワーのいちばん高いところまでは登るものの、ロープはわたってくれませんでした。その後、6月2日にジプシー、チャッピー、ポピーのメス3頭がロープを端から端までわたり、その後、オスのスカイウォーク練習は中止していました。

 しかし、今年4月になってボルネオが、第1放飼場に設置してあるロープを使い、さかんに高いところへ移動するようになりました。そこで、このチャンスを逃さず、スカイウォークにチャレンジさせることにしたのです。

 5月17日午前11時ごろ、まずチャッピーとポピーの母子2頭を先に、続いてボルネオを出しました。チャッピーは先にロープをわたって行きましたが、ポピーは予想どおり、父親ボルネオと遊び出します。すると、四つめのタワーまで進んでいた母親チャッピーは、心配して最初のタワーの方に戻ってきました。

 その後、ポピーがスカイウォークを開始。すると、ボルネオもついていったのです! ボルネオは、最初は恐る恐るという感じでロープをつかんでいましたが、タワーを離れると、どんどんポピーの後についていきます。チャッピーも飛び地に向かい、3頭がスカイウォークをわたり出しました。

 ロープが3本張ってある区間も、ポピーやジブシーがわたっているときは、ロープどうしの幅が広く感じられましたが、ボルネオにはちょうどよさそうです。11時30分にわたり始めてから、約15分で終点の「飛び地」のタワーに到達しました。

 しかし、地面になかなか降りてきてくれません。先に降りたポピーは、ボルネオにむかって枝を投げたりしながら遊んでいます。ようやく地面に降りたボルネオはゆっくりと飛び地内を歩き出しました。

 この日はボルネオにとって初のスカイウォークでしたし、チャッピーたちが不安そうなようすだったので、すぐに戻すことにしました。チャッピーとポピーは、さっそくスカイウォークをものすごいいきおいで戻っていきます。その後からついていくボルネオのスピードも、かなりものものでした。

 風にたなびく長い毛や、ロープがたてるギシギシという音など、迫力のあるスカイウォークでした。これから、ボルネオが飛び地にいる時間を増やしていく予定です。
〔多摩動物公園飼育展示課 黒鳥英俊〕

 ※ボルネオの初スカイウォークのようすをビデオで公開しました。東京ズーネットのトップページから「東京ズーネットBB」Vol.42、2006年05月のをごらんください。

(2006年5月26日)



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