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コンゴウインコのこの夏のすごし方
 └─ 2024/09/13
 今年の夏は連日35℃を超える猛暑日が多く、多摩動物公園のインコ舎でくらすコンゴウインコたちも暑さへの対応が大変でした。

 当園では現在、青と黄色のルリコンゴウインコ1羽と赤色が鮮やかなベニコンゴウインコ6羽を飼育しています。生息地は中南米の熱帯で、暑さには強い方です。

 まず、飼育環境での暑さ対策として、コンゴウインコの屋外展示場に日陰を作りました。ルリコンゴウインコの展示場にはパラソルを設置し、ベニコンゴウインコの展示場にはネットの上の一部に遮光ネットを張り、日陰ができるようにしました。さらに1日3回程度、水をまいています。ほかにも展示場周りの園路に打ち水、インコ舎の屋根に放水して建物自体の熱さを下げるようくふうしています。


パラソルの下でリンゴを食べるルリコンゴウインコ

 そして、インコ自体ですが、一般に鳥類は汗をかかないので、暑くなると体温調節は口を開いて呼吸したり(開口呼吸)、翼を広げて放熱したり、水浴びをしたりします。

 多摩動物公園のインコたちも日中気温が高くなると同様に口を開いて呼吸をして、翼を広げて対応しています。水分補給としてオレンジやリンゴのかけらを与えると、上手に口にくわえ、足で持ちながら果汁を吸っています。果実類はふだんから給餌していますが、暑い時期は回数や個数を増やしています。

 余談ですが、ふだん来園者の方から「おはよう」「こんにちは」と呼びかけられ、反応してくるのを期待されることが多いのですが、今年の夏は、上手にオレンジやリンゴのかけらを足で持ち、くちばしで押さえ、舌で果汁を吸っている姿に感心される方が多いようです。

 気温が35℃を超えてインコが熱中症になりそうな状態が予想されるときは、一時公開を中止して室内で体調管理をおこなうこともありました。インコ舎内は3台の扇風機が稼働しています。また、窓は通風のために可能な限り開けてあります。日向の展示場から日陰の室内に収容すると、体感的にも違うようで開口呼吸の速い呼吸がゆっくりと落ちつきます。

 飼育環境での暑さ対策とインコ自身の暑さ対策で、今年の夏を乗り切っています。

〔多摩動物公園南園飼育展示第2係 井上〕

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