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チーター「カロリーナ」の出入舎について
 └─ 2023/12/28
 今年の4月下旬に千葉市動物公園からチーターの「カロリーナ」(メス)が来園して、約8か月が経ちました。

 来園当初は、大放飼場の丘で滑ったり走り回ったりするなど楽しそうにすごし、1時間以上帰って来ないこともありました。しかし、近ごろは非公開スペースである産室放飼場に留まり、大放飼場に出ないことが多くあります。これまで帰ってこなかったのが一転、今度は出て行かなくなったため、カロリーナの心境になにがあったのか。カロリーナの“出入舎事情”についてお伝えします。


大放飼場の奥の方で徘徊しながらようすをうかがうカロリーナ

 展示場は大放飼場とガラス放飼場があります。カロリーナは、室内から非公開スペースの産室放飼場を通過することで「出舎」つまり、大放飼場に出ていくことができます。


展示場の配置図。緑の線は、カロリーナの室内から大放飼場までの移動ルート

 カロリーナを多摩で展示開始した当初は9~11時に大放飼場に出していましたが、前述のとおりこのごろは途中の産室放飼場まですぐに戻って来るものの室内に入らない日が続いていました。10月中旬、展示時間を14~16時に変更したところ、数日は何事もないようすで出ていっていましたが、しだいに産室放飼場から大放飼場に出て行かなくなりました。それと同時に、なかなか帰って来ないこともパタリとなくなり、すぐに戻って来るようになりました。


恐る恐る放飼場の奥の方から手前側まで移動するカロリーナ

 これまでと大きく異なるのは、放飼場に出る時間が開園前で観覧スペースに誰もいない状態から、開園時間中で常に人がいる状態になったこと。大放飼場に出る順番が最後になったため、先に出た個体の匂いが残っていること。また、同様に隣り合うガラス展示場に出ている個体が変わったことなどです。なにを警戒しているかはわかりませんが、このうちのどれかが原因ではないかと推測しています。

 産室放飼場から大放飼場をときおり覗いては引き返し、出たとしても飼育係が扉を閉めようとすると慌てたようすで戻ろうとします。現在は産室放飼場と大放飼場を出入り自由にしていて、気づいたら出ているという状況です。また、探索場所もこれまでは丘にも上って広く活用していましたが、観覧スペースからも遠い、奥の見えづらいところを常に徘徊しています。


大放飼場の手前側まで来て引き返そうとするカロリーナ

 徐々に手前側まで近づいて来るようになってきましたが、当分は現在の時間帯での展示が続くため、日によってはカロリーナを見ることができないこともあるかと思いますが、再び大放飼場を元気よく駆け回ってくれるように、これからもよく観察してカロリーナの心境を探っていきたいと思います。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 南中〕

(2023年12月28日)



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