2023年11月8日に
コアラの「コロン」(オス)を金沢動物園に移動しました。
コロンは2014年11月22日に
鹿児島市平川動物公園で生まれ、2017年から
埼玉県こども動物自然公園、
2020年からは多摩動物公園、そしてこのたび
金沢動物園に移動となりました。今回の移動で関東のコアラ飼育園をすべて経験することになります。
搬出日の朝、コロンを止まり木から降ろします
コロンは埼玉で6頭(生存中2頭)、多摩でも2頭(生存中2頭)の子どもをもうけることに成功しているオスとして大活躍している個体です。コアラは日本の7か所の園館で飼育をしています。国内コアラの遺伝的多様性を保つため、よい組み合わせのペア形成ができるように園館どうしで移動についても話し合いをしています。毎年数頭の個体が移動の対象となって引っ越しをしており、コロンは引っ越しの回数が多いコアラです。
多摩の輸送箱は過去にオーストラリアからコアラを輸入したときに使われたもので、コアラの大きさに対し大きめの箱になっています。輸送箱の中にはつかまり座れるような止まり木を設置し、ユーカリの枝を中にたくさん入れて使います。
ユーカリをたくさん入れた輸送箱に入れます
ユーカリの枝は、運送中に万が一止まり木から落下した場合のクッションになり、ユーカリの香りはコアラを落ち着かせる効果があります。壁と天井がメッシュになっていて通気性がよく比較的軽量で、少人数で運ぶことができます。
緊張した表情のコロン
多摩から金沢動物園は車で2時間ほどの距離で、飼育担当者が運搬をおこないました。展示場から箱に入れた直後は止まり木の上のほうにつかまりびっくりした表情で固まっていましたが、道中でときどき「ガサゴソ」という音がすることがあり、中を確認すると少しずつ下に降りて枝に座って落ち着いていました。
輸送箱を車に乗せます
到着後は検疫室に用意された枝に座らせてようすを見ましたが、勝手が違う枝組みに戸惑っているようで、ユーカリが入ったポットがある場所に行きたいけれどもどう動いてよいかわからないのか、止まり木に手を伸ばしてはやめる、を繰り返していました。このようすを見て多摩に来たばかりのころのコロンを思い出しました。
おっとりした性格のコロンですが、順応する力がある個体なので金沢の環境にもなれて実力を発揮してくれるのではないかと思います。
〔多摩動物公園南園飼育展示第2係 永田〕
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