2023年10月13日、タスマニアデビルの「テイマー」(オス)が死亡したのでお知らせします。7歳でした。
タスマニアデビル「テイマー」
(撮影日:2023年8月30日)
テイマーは2016年4月19日に生まれ、ダーウェント(2023年1月2日死亡)とともに2017年11月7日に来園しました。
10月10日ごろから自力で体を起こすことや寝返りを打つことができなくなりました。また、体の右側に小さな褥瘡がみられはじめ、今後著しく苦痛が増大していく状況と判断し、大変残念でありますが、やむを得ず、安楽死処置をおこないましたので報告します。
死亡までの経緯
テイマーは、2023年6月21日の
お知らせのとおり2022年夏より下半身が大きくよろめくようになりました。その後、症状が少しずつ進行し歩行が困難となり、あまり外に出なくなりました。最近は1日に数回、自力で外に這い出て短時間過ごしたのち、室内に戻り眠る生活でした。水分を摂る回数が減っていたため必要に応じて補液をおこない、採食の一部を補助したりしながらようすを見ていたところ、10月5日には右脇下に大きなしこりが見つかりました。
10月10日から、テイマーは療養のため展示を中止しました。このころから自力で起き上がることや寝返りを打つことも難しくなり、10月13日には前日より体位が変わっていないことや腰などに褥瘡が見られはじめたことなどから、今後著しく苦痛が増大していく状況と判断し、安楽死処置をおこないました。
安楽死処置の判断と実施
2023年10月13日、これまでの状況の推移と当日朝の状況について、園で検討した結果、以下の理由から、安楽死処置をすることで苦痛を長引かせることを避けるのがアニマルウェルフェア(動物福祉)につながるものと判断しました。
安楽死処置判断に至る理由
・高齢であり、運動器や神経系の加齢性疾患による症状が進行したこと。
・横臥で自力での起立や体位変換をしなくなり、皮膚の一部に褥瘡が見られはじめたこと。
・採食や飲水ができなくなり、自力による生命維持が困難となったこと。
以上により、今後状態の回復が望めず、急速に苦痛が増大し生活の質(QOL)が悪化していくことが予想されたため、当日の午後に苦痛を感じさせることのないよう配慮した方法で、安楽死処置をおこないました。
処置後の対応
処置後、すみやかに解剖をおこなったところ、肉眼では臓器に異常を認めず、昨年夏から少しずつ悪化していった後肢運動失調の原因については、病理組織学的検査をおこない精査します。
なお、動物へのお花のお供え場所は動物慰霊碑としています。ご足労をおかけいたしますが、献花は動物慰霊碑へお願い申し上げます。
このたびはたいへん悲しいお知らせとなりましたが、ご理解いただきますようお願いいたします。
(2023年10月16日)