多摩動物公園では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するため、佐渡トキ保護センター(新潟県佐渡市)からトキを預かり、非公開での飼育をおこなっています。
2023年も飼育中のトキが産卵し、4羽が無事に育っていますので、お知らせします。
CHペアと巣立った雛
(左から雛No.2、CHペアオス、雛No.1)
(撮影日:2023年6月27日)
飼育中のトキのペアについて
ADペア | オス:2004年7月3日生まれ | メス:2001年4月24日生まれ |
BSペア
| オス:2014年4月30日生まれ | メス:2011年5月26日生まれ |
CHペア | オス:2018年5月13日生まれ | メス:2018年5月2日生まれ |
※BSペアのオスは新潟県長岡市生まれ、そのほかは佐渡トキ保護センター生まれ
産卵と孵化の状況
飼育中の各ペアのひな計4羽が育っています。
鳥の繁殖には産卵後に卵を巣から取り上げて人工的に孵卵器で孵化させる「人工孵化」と、巣のなかで孵化させる「自然孵化」があり、ひなの育成には人の手で育てる「人工育雛」と親が育てる「自然育雛」があります。
No. | 両親 | 産卵日 | 孵化日 | 備考 |
---|
1 | CHペア | 4月3日 | 5月2日 | 自然孵化・自然育雛 |
2 | CHペア | 4月5日 | 5月5日 | 自然孵化・自然育雛 |
3 | BSペア | 5月12日 | 6月10日 | 人工孵化・自然育雛 |
4 | BSペア | 5月14日 | 6月11日 | 自然孵化・3日齢から人工育雛後、 8日齢からADペアが仮親として自然育雛 |
多摩動物公園でのトキ飼育の経緯
単独の施設で動物を飼育すると、感染症の発生に伴い全滅するおそれがあります。トキについても、鳥インフルエンザなどの感染症対策として、複数の施設に分散して飼育しています。
都立動物園は、40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績があることから、保全活動の調整機能をもつ野生生物保全センターがある多摩動物公園において2007年12月からトキを飼育し、毎年繁殖に成功しています。
※環境省の飼育方針により非公開で飼育しています。
日本国内の飼育状況(2023年7月25日現在。放鳥した個体を除く)
・佐渡トキ保護センター | 65羽 | (うち2023年生 0羽) |
・佐渡トキ野生復帰ステーション | 59羽 | (うち2023年生 2羽) |
・多摩動物公園 | 10羽 | (うち2023年生 4羽) |
・いしかわ動物園 | 17羽 | (うち2023年生 7羽) |
・出雲市トキ分散飼育センター | 14羽 | (うち2023年生 3羽) |
・長岡市トキ分散飼育センター | 12羽 | (うち2023年生 3羽) |
・佐渡市トキふれあいプラザ | 4羽 | (うち2023年生 2羽) |
合計 181羽 | (うち2023年生 21羽) |
(2023年08月08日)