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高病原性鳥インフルエンザ発生からの再出発
 └─ 2023/04/10
 本日、2023年4月10日から多摩動物公園は再開園しました。

 2月14日、園内の「カモ池」で飼育するツクシガモの死亡とインフルエンザ簡易検査が陽性を端緒として、2月16日から53日間にわたる臨時休園となりました。その間、死亡したツクシガモからの高病原性鳥インフルエンザウイルス陽性の確認、さらに2月23日にはカモ池から少し離れた場所で飼育していたソデグロヅルが死亡し、最終的に高病原性鳥インフルエンザウイルスが陽性となったことは報道発表のとおりです。

 休園の期間にお電話やお手紙、メール、ツイッターのメッセージなどで多くの応援や励ましのお言葉をいただきました。この場をお借りして深くお礼を申し上げます。みなさまのあたたかいメッセージに職員一同、たいへん元気づけられました。誠にありがとうございました。

 多摩動物公園ではこれまでも、国内の鳥インフルエンザ発生状況に応じて、一部の施設の展示中止や動物の移動などをおこなってきましたが、残念ながら今年は園内の飼育個体で初めて感染が確認されました。

 長い臨時休園の期間中は、環境省の定める「動物園等における飼養鳥に関する高病原性鳥インフルエンザへの対応指針」や東京動物園協会の対応マニュアルなどに基づき、東京都の関係機関と調整しながら、高病原性鳥インフルエンザが発生した飼育施設などの消毒や他に飼育している鳥の管理などに、園の職員一丸となって取り組んできました。一部のカモ類は防疫措置の一環で安楽死処置としましたが、園内で飼育する他の鳥類への感染拡大防止のためにはやむを得ない措置でした。とくに近隣には家禽の飼育施設もあり、園の内外に感染を広げることのないよう、職員や車両などの往来時に消毒の徹底など、細心の注意を払って対応を講じたところです。

 家禽飼育施設で鳥インフルエンザが発生した場合、感染が疑われる鳥や感染源となる汚染物がなくなった施設について、1週間おきに最低3回消毒することが定められています。過去の国内の動物園での発生例も含め、今回はそれに準じた方法と回数で飼育施設等を消毒し、今般、園内が清浄化したと判断し、再開園いたします。

 なお、高病原性鳥インフルエンザが発生したカモ池とソデグロヅル舎については、消毒に用いた消石灰などを取り除く作業が継続しているほか、一部の飼育施設では当面の間展示を中止しています。来園者のみなさまにおかれましては、来園時の靴底の消毒のご協力を含め、たいへんご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

 春の陽光のなか、園内は桜の開花をへて新緑が美しいようすとなってきました。職員一同と飼育動物がみなさまをお待ちしておりますので、ご来園いただければ幸いです。

 多摩動物公園
 園長 渡部浩文

※展示中止施設など、詳しくはこちらをごらんください

(2023年04月10日)



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