一年でもっとも冷え込む冬の季節、チンパンジーたちはどんなふうにすごしているでしょうか? まずはこちらの動画からご紹介します。
おばけみたいに動いているこの物体……なんだかわかりますか?
【動画】山を歩く……何でしょう?
正解は……チンパンジー! この個体の名前は「ミル」(メス)です。
毛布にくるまる「ミル」
最近のチンパンジーたちは、
サポーターのみなさまからいただきました「サポーター資金」で購入した新しい毛布にくるまって暖をとっています。
晴れている日は、みなで集まり日向ぼっこ。井戸端会議をしているように見えます。ここでも毛布は大活躍で、毛布にくるまりながら、野菜や木の枝を食べています。こたつに入ってミカンを食べているような気分でしょうか。
日向ぼっこをするチンパンジーたち
ほかにも真冬に大人気のものがあります。それは氷です。
寒い日は放飼場の水飲みに薄く氷が張ることがあり、チンパンジーたちはかわるがわる、大事そうに氷を手に持って、日向までやってきます。私たち飼育係はおなかを壊さないのか、見ていて心配になりますが、たくさん食べるわけではないため、便状が悪くなっている個体はいません。口いっぱいに氷をほおばって食べているようすは幸せそうです。
【動画】氷を食べるようす
もしも雪が積もると、雪を集めてたべるようすがみられます。子どもを背負って何度も取りにいくチンパンジーもいて、「何もそこまで……」と思いますがチンパンジーたちにとっては今しか食べられない特別なものなのでしょう。
雪を食べる姿
(撮影日:2023年02月11日)
寒さに弱いチンパンジーではありますが、彼らなりにこの季節を楽しんでいるようにも見えます。ちなみに2頭いる3歳の子どもたちは寒さをものともせず、元気いっぱいにじゃれあっています。人間もチンパンジーも「子どもは風の子」ですね。
【動画】子どもが遊ぶようす
(2023年02月14日)