新キリン舎への引っ越しを終え、キリンたちは新しい室内で落ち着いて過ごすことができるようになりました(引っ越しについて
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新しいキリン舎には大きなガラス越しに寝室を見ることができる室内展示がありますが、現在はまだ公開していません。野生では、キリンをはじめとする草食動物は肉食動物に襲われる危険があるため、非常に警戒心が強く、新しい環境に慣れるには時間がかかります。そのため、11月7日から、まずは室内展示手前の道路を開放して、キリンから見える人影に慣らしているところです。
いずれ公開される室内展示に向けて、担当者の発案で寝室の壁にキリンの大きさがわかる5mまでの表示を付けました。キリンが運動場に出ているあいだに、担当者4人で協力して壁にペイントしました。夕方、寝室に戻ってきたときはまだ塗料のにおいが残っていたようで、数頭のキリンが気にして確かめていました。そのときの写真が、まるで身体測定をしているようでしたのでご覧ください。
4m30cmほどある大きいキリンは、群れのなかで体のいちばん大きな「ジル」(オス、2013年5月生まれ)で、2022年8月に生まれた「ジュン」など11頭の父親です。3m20cmほどの小さなキリンは「ユウヒ」(メス)で、ジルと「ユリネ」(メス)のあいだに2020年11月に生まれた若いキリンです。好奇心旺盛な年ごろなので、においが気になったのでしょう。
秋も深まり、夕方は早々と暗くなってしまうため、キリンの収容時間は早まりますが、室内展示場が公開されれば、収容後もガラス越しに国内最多の17頭がひしめくようすをご覧いただけることと思います。そのときには、ぜひ奥の壁に書かれたメートル表示でいろいろなキリンの大きさを見て比べてみてください。
〔多摩動物公園北園飼育展示係 熊谷〕
(2022年11月15日)