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64回目の開園記念日にあたって
 └─ 2022/05/05
 過去2年は臨時休園をしていましたが、ようやく3年ぶりにみなさまといっしょに開園記念日を迎えることとなり、ほっとしています。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、いまだ多数の人が感染し、猛威を振るってはいるものの、ワクチン接種が広まってきたこと、重症者数は爆発的に増えていないといったことから、日常生活がもどりつつあります。しかし、都内における感染拡大と医療体制の逼迫などから、4月23日から5月22日まではリバウンド警戒期間とされ、今なお感染拡大の状況は予断を許しません。引き続き、感染拡大防止対策を継続する必要があることはいうまでもありません。


園長 渡部浩文

 さて、これまで3回にわたる臨時休園を経て、ようやく今年の3月22日に再開園してからは、天気のよい日を中心に多くの方をお迎えし、子供たちの笑顔と家族や友人どうしなどがゆっくりと園内ですごすようすを見ることができるようになりました。いまだに職員や飼育管理する動物への感染リスクについては細心の注意をはらって仕事に取り組んでいますが、日常がもどりつつあると思います。

 従来、動物園は家族が休日などをすごす場のほか、児童、生徒、学生のみなさんの校外学習の場であり、社会教育の場としての重要な役割を果たしてきました。しかし、この2年間はまったく利用できず、自然や動物との関わりを持てなかった子供たちが多数いることを忘れてはいけないと思います。

 近代動物園の役割をあらわす表現のひとつに、「動物園は自然の窓である」という言葉があります。動物園で野生動物をみること、樹木や野鳥といった自然環境を感じることは、より深遠な自然環境とそこにすむ動物への興味や理解のきっかけとなるはずです。さらに、人によっては動物学にとどまらず、文化芸術などへの関心も誘うものともなります。私たちは、今後もさまざまなかたちで動物や自然に関する情報も発信し、多くの方々に動物園を訪問していただけるように取り組んでいきたいと思います。

 最後になりますが、本年4月には新しいキリン舎が完成し、今後、動物の移動と新しい施設での展示などが始まります。多摩動物公園では60年前の1962年11月にアフリカ園の一部であるキリン舎周辺が公開され、日本にいながらアフリカの動物を群れで見ることができるようになりましたが、節目の年に新施設がオープンします。なお、古い施設の取り壊しや、シマウマ・オリックスなどの動物舎の建築などが予定されており、まだまだ工事が継続し、観覧などにご迷惑をおかけすることもありますがご容赦いただければ幸いです。

 職員一同、みなさまの来園を心からお待ちしています。


新しいキリン舎


 多摩動物公園
 園長 渡部浩文

(2022年05月05日)



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