ニュース
レッサーパンダの子どもの成長
 └─ 2021/08/20
 2020年に生まれたレッサーパンダの子ども「リアン」と「フラン」(ともにメス)は7月20日で1歳になりました(誕生についてはこちらの記事をご覧ください)。


室内でくつろぐ親子
(上に写るのはハンモック)

 臨時休園中は小運動場ですごしていた親子ですが、子どもたちも大きくなり、体重も母親の「ヒマワリ」と同じくらいで、特にフランは超えるほどになりました。広い運動場に出せばさらに活発なようすがみられるかと思い、6月4日の再開園直前に隣の大運動場に引っ越しました。

 小運動場から大運動場への扉を開けるとすんなり移動した子どもたち。しかし実はヒマワリにとっても初めての場所で、警戒してなかなか移動してくれません。好物のリンゴを駆使し、何とか移動してもらいました。運動場に出やすいように舎内の部屋を変え、リアンとフランがそれまで使用していた巣箱も大人たちと同じ寝台に変えました。

 引っ越してすぐ、親子は運動場の探索に忙しくすごしていました。子どもたちは覆いのない大運動場の壁をどこまで行けるだろうとばかりに登ろうとしたり、モート(堀)の際まで行ってみたり、木に登っては細い枝の先まで行こうとしたりするので、担当者としては気が気ではありません。数日は観察の日々でした。交代で大運動場を使用する先住のタオファ親子も、新しいマーキングのにおいの出現に探索行動が熱心になりました。

 多摩のレッサーパンダは現在総勢11頭の大所帯。通常、レッサーパンダは単独生活のため交代で外に出すのですが、広い大運動場は3交代制になるため、出られる時間も短くなります。そこで室内にハンモックを設置し、寝台も2段にして休息スペースを広くするなど、飽きずに快適にすごせるよう工夫しました。

 このように大運動場への引っ越しを試みたのですが、最終的に、7月28日には2交代制で長く外ですごせる小運動場に戻しました。小運動場でのびのびした動きをみせる親子にホッとしたのもつかの間、ヒマワリに似て身軽な2頭は、以前は行かなかった高い所まで登るようになり、またもや担当を悩ませます。本当に子どもの好奇心と身体能力の高さには驚かされます。

 性格の違いを見せながら、まだまだ成長するリアンとフラン。昨年のこの時期はまだ巣箱の中だった2頭は、初めての夏を満喫しています。 

〔多摩動物公園南園飼育展示係 小林〕

(2021年08月20日)



ページトップへ