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わんぱく「ロキ」3歳になりました
 └─ 2021/07/02
 多摩動物公園では現在、ボルネオオランウータンを11頭飼育管理しています。「ロキ」(オス)は2018年6月29日に当園で生まれた、下から数えて2番目に若い個体です(誕生のお知らせ)。

 母親が妊娠後期に体調を崩していたことが原因かわかりませんが、ロキは生まれたときから身体が小さく、また、母乳の出が悪いことも影響し、発育の遅い個体でした。そこで、発育を促進させるため飼育員による栄養サポートをおこなうとともに、ロキ自身が積極的に運動することで、その後は順調に成長してくれました。今年の6月に3歳になり、徐々に大人の仲間入りをしはじめているのでお知らせしたいと思います。

ゆっくりとした成長

 ロキが誕生してすぐのようすはこちらのニュースに詳しいですが、一番初めに生えてくる下の前歯が生後161日目に確認されているのに対し、昨年10月30日に生まれた「ホッピー」(オス)は、生後106日目に下の前歯が生え始めてきました。格子に掴まって自ら動き始めたのも、ロキは生後1年が経とうとするころだったのに対し、ホッピーは生後半年ごろから格子を移動し始めました。

 過去に生まれたこども個体も参考にすると、歯は生後100~130日目に生え始めていることがほとんどで、ロキは明らかに発育が遅かったことがわかります。研究者の方からも、ロキは他個体に比べ身体が小さいと教えていただきました。そこで、成長を促すために、ロキには生後5ヶ月ごろから人間の幼児用ミルクを与えています。

離乳に向けての取組み

 ミルクは体の成長具合や効果を見ながら、濃度や量を調節して与えていました。一時期は朝、昼、夕と3回の補助ミルクに加え、リンゴなどの果実をすり潰したり、加熱して与えたりもしていました。現在は身体も充分に成長し、固形物も母親に負けじとよく食べているため、補助ミルクを約2年半続けてきましたが、いよいよ離乳となります。

 離乳に向けて、薄くした100%果汁ジュースを他個体と同じようにロキにも与えているのですが、ミルクの濃さに慣れてしまったのか、薄めたものでは満足できなさそうな顔をして口に入ったものを吐き出すこともあります。

 また、幼児がハチミツをなめると乳児ボツリヌス症にかかってしまう危険性があるためロキには今まで与えていませんでしたが、3年経った今、ようやく解禁し、与え始めています。


成長をサポートしてくれたミルク

現在のようす

最近は、いたずら好きな神様という名前の由来どおり、職員がそばで作業していると、手を伸ばして帽子を取ろうとしたり、母親よりも先に寝室に帰って扉をしめようとしたり、わんぱくに育っています。小さかったロキを思い出すと、今は逞しく成長してくれて嬉しく思います。

 これからもロキの成長を見守っていただけたら幸いです。


わんぱくに遊ぶ「ロキ」
(撮影日:2021年6月20日)

〔多摩動物公園南園飼育展示係 野村〕

(2021年07月02日)



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